高齢になると、口の中で咀嚼した、
  食べ物を、飲み込む筋力さえ、
  衰えてくる。

  食事の時の、ムセがはげしい
  86才の直江さん(仮名)。

  ふた口ほど食べては、飲み込めず、
  ブハ!っと、
  食べているそのままの
  姿勢で、口から、かんだ物が、
  吐き出されてしまう時もあったショボーン

  いわゆる、嚥下(エンゲ)障害。

  もちろん提供される食事は、
  きざんである状態のもの。
  粘りもあって、飲み込みやすい
  はずなんだけど〜。

  お茶にも、とろみがついているキョロキョロ
  →これは、配膳前に介護士が
   適量を計り、トロミをつけます。

  液体でさえ、ムセてしまうって。。

  では、トロミがあれば、ムセ
  なく食べられるのか、と言えば、

  これがなかなか、
  セオリー通りには、
  いかない。
  介護現場ではよくあること
  なんですが。。。

  その直江さん。
  小柄で、痩せ型の方でしたが、
  うれしいことに、食べる意欲は
  いつも100パーセントびっくりマーク
  ご自身で、箸を使い、少しずつ
  食べ進めている様子は〜
 
  介護士としても、見守りがいが
  あるキョロキョロ

  で、ある日の昼食で、
  なぜだか、マグロの刺身が、
  配膳トレーにのっていたびっくり

  「あのー、直江さんのトレー
  に、お刺身がのってるけど、、」

  あわてて、先輩に確認する、
  オバヘル。

  「今日は、家族さんからの
  いつもの差し入れの日やから、
  大丈夫!」
  との、答えでした。

  月に一度くらい、そういう
  日があるらしいキョロキョロ

  なんだかこちらがドキドキ
  しながら、配膳と見守りを、
  していたのですが〜。

  だって、刻まれてない、マグロ
  だから真顔

  隣に立って、見守りしている
  先輩は、あまり気にしていない
  様子でしたが〜。

  ついつい、視線が直江さんに
  いってしまう、オバヘル。。。

  当のご本人は、というと、

  いつもの、少したどたどしい
  箸使いとは違い、
  お醤油にひたされた、ズケ?
  状態のマグロを、するりと、

  かんで、飲み込んでいるポーン  

  聞けば、昔からマグロのお刺身
  が、大好物♡な、直江さん。

  5切れほどのマグロを、
  30分ほどの食事時間で、完食!
  されていました。

  人間って、不思議。

  筋力は、少しずつ衰えて
  きたとしても、食べたい!
  というご本人のチカラも加わると、
  上手く飲み込める場合が、
  あるようです。

  見守る側にすれば、
  やはり窒息や、食後の吐き戻し、
  も、想定しておかなくては
  いけないので、食後は少し、
  長めに食堂で座っておいてもらう、
  などの工夫をしていました。 
  
  生モノは、お腹をこわす
  場合もあるので、
  基本的には、施設で暮らしている
  高齢の方の差し入れには、
  多分、通常は、NG真顔
  なんですけれど〜。

  その方の、「好物」のチカラを

  かりる事も、介助の中では

  大切な要素ですウインク