絵本でありながら、版画集で
版画集でありながら絵本
届いたばかりの
青い色が心に残る物語です。


こちらのライブ配信を拝見して
手元で読みたいと強く思い
取引会社からは仕入れられない出版社‥。
勇気を出してお願いしてみたところ
とても丁寧に対応して下さいました。

カフェから生まれた出版社クルミド出版


絵本が届いて

絵本と対面した瞬間


その美しさは

苦しくなるほどです。





満月の夜空

水面に映る月あかりを

版画で表現すると

こんなに凄みさえ感じる美しさになるなんて。


うさぎ達が走る中表紙、後ろ表紙も

全て版画で表現されています。

版画ならではの美しさを知りました。


是非ご覧ください。すごいです!


版画家の内木場映子さんが

六年もの時間をかけて創られた作品は

柔らかさと体温が伝わってきます。


文を書かれた村野美優さんが

再会された内木場さんの想いを一晩で

仕上げられたご縁は

お二人を護る見えない力の存在を感じます。



青い色に包まれながら

表紙を開くと


うって、かわって

オレンジ色が印象的な世界

主人公のみづきと、うさぎのクーモ。


クーモのもふもふ感は

毛の柔らか,ぬくもり、心臓の鼓動まで

感じられるのです。


1ページごとに立ち止まらないと

次に進めないのです。



物語の終わりに読みごたえたっぷりの

後書きがあるのですが

まるで映画のような

ドキュメンタリーのようなエピソード。


本作りへの丁寧な想いに、励まされます。

もう一度物語の世界に戻りたくなるのです。


そんな本気の大人の、想い溢れる絵本は

愛おしい命を失った後の物語です。


インスタにアップされている

お手紙を読んでみてください。





現世と常世を

オレンジと青で表現されています。



命の終わりが

また新たな存在になる様子は

色のグラデーションで

あちらの世界がそれほど遠くないように

感じます。



満月から月のしづくみたいに

こちらの世界に降りてくるうさぎ達


突然、

お別れしなければならなかったクーモとの

再会の場面は、苦しいほど嬉しくて

絵本の中に入ってしまってます。


もふもふでつるんと真っ白なクーモを

思わず一緒に抱きしめてしまいます。


甘い甘い再会の時間。



あなたは

誰を想いますか?

一瞬でも、その手に感じられますようにと

心の底から祈っています。



沢山の戻ってきた子達との

あそび歌の場面が心地よいです。



   むかしむかしの ついさいきん

   つきから うさぎがおりてきて

   つきのかけらをばらまいた

   そら

   ばらまいた


こんなふうに何曲か歌うのですが


むかしむかしのついさいきん

って可愛くて楽しい


そら

ばらまいた


そら

も軽やかで

子ども達の口に、のると

これまた楽しいはず。




寂しいけど

今度は

お別れできました。


クーモが

月のかけらを手渡しながら


    これをもっていればだいじょうぶ

    足もとをてらしてくれるよ


と。



小さな小さな光でも

その小さなあかりは、かけがえのないものです。


美術館で心奪われた絵をずっと観ていたい‥。

そんな気持ちになる絵本です。


絵本屋つきのあめから

お届けいたします。



            3300円税込