清水真砂子さんの著書
｢大人になるっておもしろい？」の
あとがきも濃密です。
「本があってよかった。」
の清水眞砂子さんの言葉に
心から頷きます。
図書館が空爆をうけて
本は、みんなこっぱみじんになった。
ちりぢりになった本がコラージュで
紙吹雪のように
見開きいっぱいに散っています。
残った本は
ピーターのお父さんが借りていた１冊だけ。
家を焼かれ
街を追われるなかで
お父さんは鉄の箱を出して
宝ものを入れて守るように命じます。
「お父さん
うちには宝石も金も銀もないよ」
お父さんは
その１冊の本を布につつみ
「ぼくらにつながる、
昔の人たちの話が書いてある。
金や銀、宝石より大切なんだよ」
と。
何日も歩く中で
お父さんは亡くなり
ピーターは
自分の荷物を途中で諦め
託された鉄の箱だけを運びます。
山を越える時には
それも難しくなって
大きなシナノキのしたに
本を埋めました。
生き延びる間に
大切なものを
一つ一つ諦め
大切な人との約束
愛おしい人の願いを
なんとかして守ろうと
知恵を絞り最善を尽くします。
お父さんにとって
ピーターが一番の宝ものです。
このお父さんの存在こそ
ピーターにとっても
決して無くならない宝もの。
その魂の誠実さを
受け継がれることが
お父さんには
どれほど大きな喜びであるか
長く生きた私はわかるようになりました。
引き継いでいくことが喜びとなる…。
この絵本を通して
旅立った大切な人に教えてもらったことを
受け継ぎいでいく意味を知り
今日の絵本を感慨深く読めています。
ピーターは大人になって
シナノキの元に。
居合わせた女の子との語らいに
胸が熱くなります。
金や銀、宝石に価値がないとは
いいません。
だけど
本
というものとの出会いの縁は
また次の縁や道へと
誰にでも平等に、つながれる可能性が
あります。
ピータは、
お父さんが守ったこの本が
誰もが出会える場所に戻します。
私は
本にある一言に何度も救われ
何より
ブログの世界で
こんなに深く響き合える出会いを
いただけました。
本があってよかった
絵本があってよかった
と心から思えるのです。
絵本であり
映画のような１冊です。
絵本屋つきのあめから
お届けいたします。
日曜日のリモート絵本講座でも
そんな絵本を読もうと思います。
よかったらご参加くださいね。
こじんまり
心優しい方の集まりです。
清水真砂子さん
｢大人になるっておもしろい？」に絵本を重ねる
後書きに重ねて
2021/11/28(日)14：00－16：00
受講料 200０円
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