心奪われた絵本の購入を先延ばしにして

絶版になって、

悲しくなったり地団駄を踏んだことがあります。

 

今日の絵本もそんな一冊です。

 

主人公のおばあちゃんみたいな

かっこいいお母さんの娘である

友人に贈ったものの

自分のタイミングを逃し新書では買えなくて。

 

ひょっこりご縁がつながり

ようやく本棚に加わり嬉しいので

一緒に読みあいましょう。




 

 

はじまりの言葉から、ぶっ飛んでいます。

 

  

     わたしのおばあちゃんは

       ギャンブルが大すきでした。

 

おそらく1900年前後、

娘時代にロシアのコサック兵から逃れるために

荷車の干し草の中に逃げ込み

そのままニューヨークに来てしまうのです。

 

年頃になると

ロシア楽器のバラライカを借りてきて

毎晩外で歌います。

     バラライカなんて、弾けなかったけど。

 

このたくましさで、ルイスにプロポーズさせ

 

      「いいわ」

と。

 

 

子どもが二人生まれ

少しお金を稼ごうと、

 

 

おばあちゃんはポーカーを習うのです。

 

生き方がギャンブラーなのです。

 

とにかく、たくましくて

     つめでカードにしるしをつけたり

     そで口にエースをかくしたりするのです。

ドキドキです。

 

         なんといっても

     おばあちゃんは勝つのが大すきでした。

 

へっちゃらです。

 

出かけて行っては稼いできます。

 

ちょっとしたボンドガールです。

強くて賢い女性に

どんくさい私は憧れます。

 

 

子どもたちも、そつなく大人になり

おばあちゃんと、孫である作者は

一緒に暮らすようになります。

共働き家庭のため

 

     いつもおばあちゃんといっしょでした。

 

おかあさんといっしょ ではなく。

 

 

おばあちゃんの 英才教育 がはじまります。

 

絵本としてもここからが、とにかく面白い。

 

風邪をひくと、

おばあちゃんのベッドに寝かせてもらえ

 

      いすをひっくりかえして

               ベッドの上におき

    シーツのテントを

                つくってくれました。


挿絵は、かわいいのですが

パジャマでおばあちゃんと

何故か硬貨を

日がな一日、せっせと磨いています。

 

あきてくると

おばあちゃんの引き出しを

    そおっとあけて見せてくれるのでした。

 

わくわくするでしょ!

おばあちゃんの引き出し。

 

     「パリの夜」という香水

       わたしをだっこしている写真

        黒いヘアピン

 

        だけど一番ドキドキしたのは

 

おばあちゃん

裏切らないです。

 

         おばあちゃんの入れ歯でした

 

大人も子どもも

この場面は絶対に笑ってしまいます。

私も今、目の前に娘がいるので堪えていますが

たぶん、にやけてます。

皆さん、いかがですか?

 

       「さっさと、よくおなり。

        いいところにつれていってやるから」

 

遊園地や

ビールをのむカバのショー

映画

  「アンナ」 おばあちゃんの名前と同じ。

中華料理屋さん

 

私も子ども時代を思い出します。

おじいちゃんと喫茶店やレストランに

大阪万博も。

 

息子も初孫で母も元気だったので

よく喫茶店につれていってもらいました。

 

ある日、テレビで

「おばあちゃんが甘やかして困る」

との話題を取り上げていたのを

聞いていた息子が

「めちゃめちゃやるのが、おばあちゃんやん」

と。

やっぱり。

 

 

おばあちゃんの台詞も読んでいて

気持がいいです。

 

大きくなった作者に

     [友だちとして、

                 ちょっとちゅこくさせてもらうよ」

と。 

 

      「そんな顔しちゃ、ダメだよ。

       そのまんま、かたまって

        もとにもどらなくなっちゃうから」

 

      「だいじょうぶ。

      どんなナベにもフタがあるってね。

       答はぜったい出てくるよ。」

 

 

大恐慌や戦争の時代を

こんな気持ちでおばあちゃんは逞しく

生きてきたんですよね。

 

 

人生の終盤は再び

おばあちゃんはギャンブラー。

 

近所のおばあさんを集めて

ちょっとしたもの

     金の口べにケース

     コンパクトやペンダント、ブローチなど

     賭けては

みんなおばあちゃんのものになり

 

旅先での二週間ぶっ通しのポーカー大会で

獲得した金とダイヤモンドの指輪を

 

      [大人になったらあげるからね」

と。

 

作者にもポーカーを教えては

おこづかいをまきあげたりも。

勝負の世界は厳しいのです。

 

お行儀にとらわれず遊びながら

サンドイッチを食べてるのは黙認。

次のサンドイッチを手渡してくれるところも

私の好きな場面です。

 

 

大人になった作者は

あの 指輪を譲り受けますが

そのエピソードがとびっきり素敵です。

 

 

おばあちゃんの魅力が

絵本に出会いたての時には

わかっていなかったです。

 

自分で自分を救っていく。

逞しく楽しくリスクをものともせず

存分に生きる。

 

だから、最後の指輪のエピソードに

行き着くのです。










 

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maria rutoさん

絵本講座のお知らせブログ




 

本屋さんでは買えなくなった絵本も

持って行こうと思っています。

残席少なくなっています。

小さな集まりなのでゆっったりの

語り合いが楽しみです。

 

 

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