絵本のブログを書くと決めたとき
必ず時期を見てご紹介しよう
みなさんと読みあいたいと思っていた絵本です。


{AC07EC7E-0A92-42B5-BE95-34D8BF8367E5}


前回のご紹介した絵本


{DA7F7A07-C8E2-418A-ABEE-E2E5A9519F81}

{66973455-C75E-454D-9A4F-80E78971F7DF}



小児科医でありながら
ベットサイドで子ども達に絵本を読み
ご自身のためにも絵本を読まれる先生です。


今日の絵本は
監修や翻訳ではなく
細谷先生が文章を書かれています。


私にとっても特別な絵本で
これほど絵本の可能性を
感じる絵本はありません。



忘れられないエピソードがあります。

一人は どうしても子どもと向き合うのが
苦しくて仕方がないお母さん。

私も他の先生方、スタッフも
どう支え、どうすればお母さんが苦しみから
抜け出せるのかわからなくなっていました。


ある日の講座でこの絵本を読みました。

特に このお母さんのために選んだのではなく。


読み終わるとお母さんが

年の離れたお姉さんが大病をされて
自分のお母さんは ずっと看病のため病院で

幼かったお母さんは ずっとお父さんと
寂しいのを長いこと 我慢して我慢して
子ども時代を過ごした事を
話してくださいました。

我慢しないといけない
お姉ちゃんは病気だから
我慢しないといけない…。


でも お姉ちゃんは亡くなった…。

悲しみに沈むご両親には
寂しい気持ちを我慢していることは
言えなかったと
話してくださいました。

わんわん泣きながら寂しかった
お母さんに いてほいし時がたくさんあったと…。

そう思う自分を責めながら。




長く関わってきた先生方も
この気持ちを初めて聴きました。

お母さん自身も
こんな気持ちを抱えていた事、
何にイラつき嘆いていたのかわからなかったと。


「そうだったんや。
   我慢したんやね…。
   さみしかったね…。
   つらかったね…。」

背中をさすりながら聴くしかできなかったけど
お母さん自身 大人になっても言ってはいけない
思ってはいけない

と気持ちを押し込めて子育てが始まり

子ども達が 一回目の反抗期で
思いっきり自我をぶつけてくるのが
苦しくて苦しくて仕方がなかったと…。


私は我慢ばかりだったのに
私はがんばったのに…と。

我が子に対しても
この感情は感じて然りです。



この絵本の中で

主人公みなみちゃんは同じように
お兄ちゃんが重い病気になり

自分と同じように寂しさに耐え
一人でご飯を食べ

同じように お兄ちゃんは亡くなってしまい…。





絵本の中では
お兄ちゃんが亡くなった後
みなみちゃんは お母さんに抱きしめられます。


私はこの場面がたまらないのです。


ふんわりと ピンクのバックに
お母さんに抱きしめられ
お母さんに抱きつく みなみちゃん。




    「みなみは がんばって、よくおるすばん
                                                 してくれたね。

       ほんとうにありがとう。」


    「さびしかったわよね。
        あのときは みなみのはなしも
       ゆっくり きいてあげられなかった…。

       ごめんね。みなみ」



そのお母さんの 求めていた言葉が
ここにありました。


私自身もやはり大人になっても
求めている場面と言葉でした。

ねぎらい と
ごめんね。



私の妹が心臓が悪く
ゆくゆくは手術をしないといけないんだ


と聞かせれ 怖くて かわいそうで
だから 困らせてはいけないんだ
とそう思いました。

妹は いろいろありながらも手術には至らず
大きくなりましたが


お姉さんを見送ったお母さんの
気持ちは どんなに苦しかっただろうと思います。



細谷先生は実在するみなみちゃんのために

同じように我慢している子達のために

この場面
この言葉を届けたくてこの絵本を書いたと
話されました。



この絵本は重い病気や障がいをもつ方や
そのご家族だけでなく


あらゆる場面で必要とされる関わりを
見せてくれます。


子育て
仕事
仲間…。


その子の
その人の
我慢や、つらさをねぎらう。


前回の記事に
読者さんのSEIGOさんが
コメントに書いてくださった言葉にある
その子、その人の背負っている背景 を
見ようとする気持ちです。


「あなたは がんばったんだよね」
と労われ

大人も困難な状況で踏ん張っていても
やっぱり
「ごめんね」
の言葉は必要です。

 相手を認め肯定する言葉なので。


特に幼い子どもは大人が思っている以上に
自分を責める傾向があります。

病気になったのも
亡くなったのは
あなたのせいではない

と言ってあげることがもとても大切です。



細谷先生が以前
徹子の部屋 に出演されていて

亡くなった子達を
思いポロポロ涙されていました。

「子どもが亡くなって 泣かなくなったら
僕は医者を辞めます」

と おっしゃる先生です。


亡くなった子達の御家族ともずっと繋がり
毎年その子達を想いお遍路の旅に出られています。

ふとお別れした子どもの気配を
感じる事もあるとか。

{2AADAE3C-AF7B-4634-B08C-A7B3E7CA5150}



もうお一人 
幼い我が子を亡くされたお母さんが
読者療法に来てくださった時

この絵本を読みあったら
こんな絵本があるなんて…。と。

同じように立ち止まり苦しんでいる
夫と読みます。

と絵本を抱きしめられました。

やっと気持ちにあう絵本に出会えた…と。



重い病気や障がいをもつ子の兄弟姉妹を
兄弟児 とよび 
しっかり気持ちを合わせていくケアがあります。

ケアだけでなく
兄弟姉妹も チームの一員として
説明したり向き合う事も大切であったり

同じ立場の子達と語りあえる場を
設けてあげる事も大切だと
細谷先生はおっしゃいます。


前回の記事同様 病気 という
一つのくくりではなく
色んな立場
どんな場面においても大切な
共感力…
色んな人の気持ちをわかろうとすることが
伝わりやすいように思います。

私も まだまだ…
知らずに傷つけている人がいるはずです。

ごめんなさい。


この絵本を大切に読んでいこうと思います。


必要としている方に届きますように…。

二人のお母さんは 元気に子育て お仕事
がんばっておられます!




{0C55068F-495F-40D7-88E0-0CA253860293}



{A7309C7A-C468-4064-A6CE-FD758319EF5B}



{B5AE253A-E6EB-47BF-B9C5-341644B077DD}