細かいワークの内容は書いていないし、誰得、と言われても仕方ないようなものではあるがこれは自分のため。今回は同行してくれたトレーニング仲間のYさんの存在もあり、ちょっとした旅行記でもある。もし、あの場の雰囲気を思い出したいとか、行けなかったけれど思いを馳せたいとかいう方のおもちゃになれば幸い、とも思う。
大阪でのテーマはThe GUIDE to MOVEMENT(動きのガイド)。
参加する2日前に急に「これは前日のスペシャルクラスにも出れるのでは…」と思い立ってしまい、同行のYさんにわがままを言ってそこから付き合わせることにした。(Yさん、ごめん。本当にありがとうございます)
有給休暇2時間を取得、会社を早退して新幹線で大阪へ。(カバー写真はこの時の大阪駅前での写真)スペシャルクラスに参加するため、久しぶりに大阪の道場にお邪魔した。広いと思っていた道場は人で溢れかえっていて、いつもとは違った雰囲気だった。初めて大阪を訪れたYさんは動画でしか知らなかった高名なインストラクターの方々を目の当たりにして、一生分くらい「本物だ…」と言い続けていた。
広いと言っても東京のフットサルコートよりはこぢんまりした道場では、ヴラッド師がとてもよく見えた。やはりかっこいい。
個人的には一番いい体感が残ったのはこのスペシャルクラス。ここでは体をパーツごとに細かく動かすような練習が多かった。ヴラッド師を見ていると、小さな筋肉の動きと外殻の大きな動きが組み合わさることで相手を大きく動かしていることがよくわかる。とはいえ、それは並ではないとても洗練された緻密なmovement(動き)だ。原則を丁寧に忠実に、でも縛られることのない自由さで真摯に行うからあのクオリティなのだ、と改めて感じた。今思い出しても、つい何かを疎かにしてしまうわが身を顧みさせられる。そういうところを雑にしてしまってはシステマしてるとは言えないし、うまくいきっこないのだ。
そして東京セミナーに引き続き、口の中をケガする。顔にテンションが溜まっているらしく、よけるのも苦手。今回はマスアタックで前にいた背が高い方の肘が当たってしまった。下唇の内側の皮が大幅になくなってしまったため、翌日も翌々日も起きたときに唇に血が滲んで口が開かないほどだったが不思議と口内炎よりも痛くなかった。
そんな話の後でなんだ、という感はあるが、終了後はYさんおススメの創作料理店で前菜の盛り合わせとポトフ風のおでんをいただいた。味だけではなくビジュアルもとてもよかった。折角なので写真を載せておこう。
翌日はメインのセミナー1日目。会場に入ると東海メンバーと再会。この久方ぶりの祝祭のようなイベントにみんなで参加できる、という事実で気分が上がった。
そんな中、開幕早々東海の若手ホープがヴラッド師にちょっかいをかけデモに駆り出されていった。若さだねえ、とみんな少しの驚きと羨望の眼差しで見つめていた。(彼は今回IiTとして認定を受けました)
正直、内容は2日間で混然一体となってしまい何をどこでやったか、までは正確に思い出せないが、まあそれは重要なことではない。(でも今後はちゃんとノートをとろうと思う)東京では比較的ダイナミックなワークが多かったようない印象だが、大阪では「動き」にフォーカスしているため繊細さも兼ね備えたワークがたくさんあった、という印象は強い。全体として体を軽く、或いは重く使うことを学ぶための練習が多かったように思う。
終了後は東海のメンバーでたこ焼きや串カツなどの大阪名物を食べに繰り出した。どれも美味しかった。
3次会まで付き合ってくれた人には感謝。
2日目。開始直ぐのヴラッド師のお話が印象に残っている。この場所を感じて、トレーニングをするのに心地いい場所かどうか感じてください、という趣旨だった。マスターが本当に伝えたかった核心は理解できていないかもしれないが、最初にこのようなことを行うことによって場所を観察し、自分のコンディションも観察することができる。快適さを求めるシステマらしいものだと感じた。
そしてこの日、デモに参加させていただけたのはいい経験だった。直前のペアワークを見に来られたヴラッド師が誘ってくださったのだ。初参加のものとしてはこれは貴重すぎる経験だ。触れられて軽く反応する、目を閉じていても過剰に反応せず必要な分だけ反応する、などシンプルながら丁寧に指導していただいた実感が残った。
さらに印象深いのはデモ終わりに握手した時、マスターが私の手をひっくり返して観察し始めたこと。「いつもすごい手汗なんですよ」と伝えると「汗が糸引くような感じにベタついていると良くないが、サラサラしている。問題ない」と仰った。
「糸引く汗はどんな問題を含んでいるのか?」とは感無量状態だったので聞き忘れた。また尋ねる機会があるといいな、と思う。
最後になってしまったが、大西さんという素晴らしいシステマの理解者の通訳で受講できたのも良かった。
さて、すっかり長くなってしまったがこれで大阪セミナーのちょっとした覚書、ほとんど旅行記も終わりである。
上達したかはわからないが、東京セミナーとも併せて確実にいい経験ができた。今後も積極的にセミナーに参加していきたいと思う。
できるなら創始者ミカエル師やシニアインストラクターと呼ばれる方々にもお会いしてみたい。
でもその前に…今回色々教えてくださった日本各地のステキなインストラクターの方々を訪ねていきたい、そんな風にも思った。
(大地)