14. 「 も の 」 よ り 「 思 い 出 」 ( 2005年 8月 7日 )
人間関係に限定すると(特に親子関係では)ある時期を逃してしまうと
取り返しがつかなくなってしまうことが多いように感じます。
失われた時を取り戻すことは、非常に難しいけれど、不可能ではないようです。
朝日新聞 生活欄 ひととき より
「父との遠足 」 長野県駒ヶ根市 岩波美伸さん 主婦 42歳
父と二人で日帰り遠足に行ってきた。行き先は愛知万博だ。
二人だけで遊びに行くのは何十年ぶりだろうか。
七十歳を超した父から「生きているうちで最後の万博になるから」という誘いを受けた。
夫も仕事の調整がつく週末は混雑しそうなので、急きょ平日に二人で行くことにした。
母が亡くなり、父は木曽の実家で十年以上も一人暮らしをしている。
離れて暮らす娘としては、いつも気にかかっている。
しかし、今回の私は、すっかり子供の頃に戻ったかのように、
父との「お出かけ」をワクワク心待ちにして準備した。
父が疲れないで楽しめる範囲で無理のない計画を立て、
水分補給の水筒も二本持ち、タオルと絆創膏も持参した。
夜のうちに実家に行き、翌朝6時台の電車で出発。
会場の人は多かったが、当日は暑くもなく、計画通り無事に一日で回ってこられた。
私にとっては万博へ行ったことよりも、
父と二人で楽しく出かけてこられた喜びの方が大きかった。
ショーや展示物を見てあれこれ言いながら、その興奮を父と共有した。
思えば、進学先の大学のキャンパスに初めて二人で訪れて以来だ。
実家に戻って土産物を分けながら、ご機嫌でビールを飲む父を見て、
とても嬉しく、少しは親孝行できたかなと思った。
人間関係に限定すると(特に親子関係では)ある時期を逃してしまうと
取り返しがつかなくなってしまうことが多いように感じます。
失われた時を取り戻すことは、非常に難しいけれど、不可能ではないようです。
朝日新聞 生活欄 ひととき より
「父との遠足 」 長野県駒ヶ根市 岩波美伸さん 主婦 42歳
父と二人で日帰り遠足に行ってきた。行き先は愛知万博だ。
二人だけで遊びに行くのは何十年ぶりだろうか。
七十歳を超した父から「生きているうちで最後の万博になるから」という誘いを受けた。
夫も仕事の調整がつく週末は混雑しそうなので、急きょ平日に二人で行くことにした。
母が亡くなり、父は木曽の実家で十年以上も一人暮らしをしている。
離れて暮らす娘としては、いつも気にかかっている。
しかし、今回の私は、すっかり子供の頃に戻ったかのように、
父との「お出かけ」をワクワク心待ちにして準備した。
父が疲れないで楽しめる範囲で無理のない計画を立て、
水分補給の水筒も二本持ち、タオルと絆創膏も持参した。
夜のうちに実家に行き、翌朝6時台の電車で出発。
会場の人は多かったが、当日は暑くもなく、計画通り無事に一日で回ってこられた。
私にとっては万博へ行ったことよりも、
父と二人で楽しく出かけてこられた喜びの方が大きかった。
ショーや展示物を見てあれこれ言いながら、その興奮を父と共有した。
思えば、進学先の大学のキャンパスに初めて二人で訪れて以来だ。
実家に戻って土産物を分けながら、ご機嫌でビールを飲む父を見て、
とても嬉しく、少しは親孝行できたかなと思った。