25. 視点を変える  その4  ( 2005年10月23日 )

いつまでも無知でいる秘訣は実にやさしい。
いつも自分の考えだけを肯定し(新しい考えは全て排除し)
自分の知識だけに満足していればよい。  エルバート・ハバード
             
私は5年前に離婚をしています。
その後、再婚しましたが、相手も再婚で子供がいます。
お互いの生き方とスタイルを尊重するため
また生活のサイクルが異なるため、一度も一緒に住んだことがありません。
お互いの両親は会ったことがありません。
世間の常識から見ると、あまりにも非常識かも知れません。
私たちは自分の考えのみを正論、常識として扱います。
私たちの「ものの見方」「パラダイム」「観念というメガネ」は、
本当に正しいのでしょうか?
曇っていませんか?曲がっていませんか?色がついていませんか?
これを書いていて、新入社員の頃を思い出しました。
大京に入社したばかりの時、副社長が出席した朝礼のスピーチで
「大京の常識は世間の非常識だ」と発言して場を凍らせたことがありました。

電話の中の子どもたち   山梨日日新聞

「心傷つける大人の考え方」  安達倭雅子さん(電話相談員)

 両親の離婚は子どもの努力ではどうにもならないだけに、電話で切々と訴える。
子どもたちを苦しめているのは離婚そのものより離婚に対する
大人の考え方ではないかと思ってしまう。
「お母さんはお父さんに離婚されたの」小学二年の女の子が言った。
― ちょっと待って。離婚はするもので、されるものじゃないのよ。
「だって、お母さんいつもそう言うよ。
だけど本当はお母さんは離婚してあげたんだって。
お母さんが心療内科の病気になって、それがお父さんの出世の妨げに
なるって言うから、お母さんは離婚してあげたのに、
お父さんは裏切って再婚して幸せになってひどい、だまされたって」
「心療内科」「出世の妨げ」「再婚」「裏切り」。
小二とは思えない語彙が使われるのを聞くと、母親がいかにひんぱんに
父親への恨みを話していたかが想像できる。
 母親の離婚に対する被害者意識が強く、
離婚後の人生を肯定的に生きようとする姿が見えないと、
子どもの心の傷は大きくなるばかりだ。
 ある高校生が言った。
「僕の両親は離婚しているし、僕は学校の成績も悪いし、背も低し、
だから、どうせ僕はだめなんです」
 小さいころから親に離婚の恨みを持ち続けていれば、
離婚と成績と身長は関連づけられてしまうのだろうか。
 ある中学生からの電話―。
「僕の両親は以前はけんかばかりしていました。
父と母はまず別居して、よく考えて、よく話し合って、それから離婚しました。
僕は今、母と暮らしていますが父ともよく会っています。
父も母も前よりずっと元気になりました」
 ここまで明るく話すと、声を落とした。
「ところが、母が離婚のことを担任の先生に届け出ました。
そしたら、先生が僕を呼んで、頑張れ、しっかり勉強して、
お前を捨てた父親を見返してやれって言ったんです。
僕はかわいそうな子なんですか。僕は捨てられた子なんですか。
なぜ父親を見返さなければならないのですか」
 離婚によって関係が再構築され前向きに生き始める『家族』もいる。
子どもの心を深く傷つけることのない言葉で接したい。