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小論文の基礎固め その4 それは本当に対策・解決策になっていますか?

小論文の課題には、ある問題に関して、対策・解決策を求めるものがあります。

この手の課題は簡単なのですが、小論文をそれほど書いたことがない受験生の場合、ある手続きがまるまる落ちている場合が多いのです。そのため、思ったより得点できないことがあります。


では、受験生の何が「まるまる落ちている」のでしょうか。


簡単に言うと、「背景が考えられていない」ということなのです。


例えば、少子化の対策を考えさせる課題が出たとすると、「女性が子供を産めば良い」というだけで終わっているような答案が非常に多いのですね。


少子化の場合、原因としては女性が子供を産まなくなったからでしょう。これは誰も異論がないでしょう。「それなら女性が子供を産めば良い」と短絡的に考える。これが小論文を書きなれていない受験生が陥り易いパターンです。


受験生は次のことを良く覚えて、下記の順番通りに考えるようにしてください。


1:「原因にはその原因を生み出す背景が必ずある。」

2:「その背景をどう変えるかが、対策であり、問題解決につながる」


まず1からいきましょう。


確かに、少子化の直接的原因は、「女性が子供を産まなくなった」ことです。しかし、女性が、何の理由も背景もなく、いきなり子供を産まなくなるなんてことはありません。

つまり、女性が子供を産まなくなった原因が、何かある、というわけです。


それは、例えば男女雇用機会均等法実施により、夫婦共働きの世帯が増え、かつてのように子供に手をかけづらくなった結果、子供を産みづらくなった、ということや、教育にかける費用は増加の一途なのに、世帯収入はかつてのように右肩あがりではなくなったため、出産をためらう女性が増えたということや、結婚年齢があがったために、多くの子供をもうけることが、体力的に難しくなってきている…などなど、色々と社会的背景があるわけですね。


こういった背景があるために、女性が子供を産まなくなり、結果、少子化に繋がった、とようやく言えるわけです。


さて、ここまで出来たら、2の段階へ移ります。


背景としては色々あるわけですが、ここでは、夫婦共働きの世帯が増えたために、子供を産みづらくなったということから解決策を考えます。

「夫婦共働きではなく、男は仕事、女は家庭にすれば良い」なんてのは、現実的な話ではないことは分かりますね。ではどうすれば良いか。たとえば、育児休暇の充実ということが考えられるでしょう。しかし、現状育児休暇は女性が取るものという認識が一般的です。女性が大きな仕事を抱えている場合、なかなかそれは難しいはずです。それならば、育児休暇を男性が取得して当たり前、というような状況を作り出すことが、解決策の1つになるでしょう。あるいは祖父母が育児休暇を取得できるような仕組み作りをしても良いかもしれない。


あるいは、「この社会背景で、子供の数増やすの無理! どんな対策を打っても、状況の変化はない」と判断するのであれば、例えば少子化で何が問題になるか述べ(労働力、経済力低下)、その問題をもとに、具体的な対策を考える(高齢者労働力の確保、移民受け入れによる労働者確保による、経済力の維持)というのもあります。


とまあ、このように考えていくことが必要なのです。


「問題があるということは、その問題を産む原因があるということ。その原因は、色々な社会的背景が関係して生じているものだということ。問題の解決とは、その社会的背景を、どのように変えることが必要かを考えること」

これを忘れないようにしましょう。





















小論文の基礎固め その3 設問を良く読め!

ある受験生が、暗い顔して学校でやっているという小論文を持ってきました。


「設問は『フリーターについて、肯定か否定か立場を定めて論じよ』というものでした。きちんと立場を定めて論じたのに、反論の想定もし、論破もしたのに、40点しかとれなかったんです。何がいけないんでしょう?」


確かに形式的にも内容的にも問題がない。しかし40点しかとれてない。これはどうしてでしょうか。やはり形式的にうまくできていても、独創性がないから駄目だってことでしょうか? 

いえいえ、違います。点数が低かったのは、実は「設問の主旨を正しく理解していない」ことに原因があるのです。


受験生は「フリーターについて肯定か否定か立場を定めて論じる」と設問を読み取ってしまいました。

ところが実際の設問はフリーターという働き方について肯定か否定か、立場を定めて論じるというものだったのですね。この違い、分かりますか?


「フリーター」について立場を定めて論じるのであれば、「フリーター」という存在自体について肯定か否定か立場を定めて論じることになります。ところが「フリーターという働き方」について立場を定めて論じるのであれば、フリーターという存在についてではなく、その働き方について論じる必要があるわけです。つまり、フリーターをやっている人の是非について論じることが求められていたわけではなかったのです。


フリーター問題に限りませんが、受験生にとってこのようなごく身近な話題が設問となっていると、受験生はついつい思い込みで論じてしまいます。出題者も、そういった思い込みで論じてしまう受験生が大量に出てくることを計算にいれて出題してくるのです。なんでそんなことをやるかというと、落とす人を機械的に決めたいからです。以前にも書きましたが、採点する側の心理としては、できるだけ効率的に採点したいのです。だから一種のひっかけ問題のようなものを作成するのです。

そして私のもとへやってきた受験生は、出題者の罠にまんまとひっかかったというわけなのです。


ですから、どれほど自分が知っている話題であっても、設問は注意深く読み取り、その主旨を正しく理解することが必要なのです。設問の主旨を正しく理解できなければ、どれほど形式的にも内容的にも問題がなくても高得点は望めないのだということを十分に理解しておいてください。



小論文の基礎固め その2 反論を想定し、論破する

今回は「反論を想定し、論破する」というものです。特に立場を明示して論じさせるタイプの小論文では

必須の技術で、これができるかできないかが合否の分かれ目になる技法です。

しかし、これができない受験生が非常に多いのです。

ここで「反論を想定し、論破する」という方法をきちんと覚えましょう。


簡単な例をあげます。

「現在の派遣労働について賛成か反対か、立場を定めて論じなさい」という問題が出たとします。


この問題についてあなたは、「派遣労働について賛成である。」という立場から論じることにしたとします。

「なぜなら様々な仕事に就くことでスキルアップが図れる」「正社員になってしまうことで生じる組織のしがらみに縛られない生き方が比較的容易に実現できる」などといったことが、賛成する理由であるとしましょう。


さて、ここまで来て、「だから私は派遣労働について賛成だ」とまとめても良いのですが、これでは物足りないわけです。ここで「反論を想定し、論破する」わけです。


例えば、「正社員になってしまうことで生じる組織のしがらみに縛られない生き方が比較的容易に実現できる」ことをあなたは賛成の理由として挙げた。しかし、あなたが賛成の理由として挙げたこの点にこそ派遣労働に賛成できない、反対だとする立場もあるわけです。


「確かに組織に縛られない自由な生き方ができるってのは良いだろう。しかしそんな人ばかりが増えたのでは、派遣社員は入れ替わりが激しいから組織は組織がこれまで蓄えてきた技術ややりかたを継承できなくなって、長期的に見れば経営悪化ということ、経済力低下ということにもつながるぞ」なんていうことから派遣労働に反対、なんて意見が想像できるわけですね。


自分が「だからこそ賛成」としていた理由が、見方を変えれば全く同じ理由から「だからこそ反対」とも言えるのですね。この見方を変えて反対の立場を示すことを「反論の想定」と言います。そしてこの想定された反論を論破すると、自身の立場の説得力が高まるのです。


例えば上記の反論に就いては、こんな論破もあるでしょう。

「派遣労働者の中には、将来的には正社員として働きたいという考えを持っている者も少なくない。したがって組織は組織の持続的成長のために必要と思える人材であれば積極的に派遣社員の正社員転換を図っていけば良い。しかし組織の永続的発展、国や市場の成長ということのために、個人の生き方やライフスタイルを歪めることがあってはならない。したがって派遣労働には賛成である」


ちょっと舌足らずですが、こういった形で、自身の賛成という立場の説得力を高めることができるのです。


注意すべきことは、論破の際、間違っても反論に対し同調してしまわないことです。「確かにそうだよね、派遣労働者の正社員の転換を進めていかないとね」としては絶対にだめです。(受験生はなぜかここで良く失敗するのです。)。


「派遣労働者の中には、将来的には正社員として働きたいという考えを持っている者も少なくない。したがって組織は組織の持続的成長のために必要と思える人材であれば積極的に派遣社員の正社員転換を図っていけば良い。」としていますが、これは同調しているのではなく、「しかし組織の永続的発展、国や市場の成長ということのために、個人の生き方やライフスタイルを歪めることがあってはならない。したがって派遣労働には賛成である」ということを言うための、いわば反論を突き放すために必要な文言です。簡単に言うと、「国や社会のこと考えて反対と言ってるけど、それで個人が自由に選べるはずの生き方を歪めちゃならない、だから良いんだ」ということですね。


想定しうる反論に対しては完膚なきまでに叩き潰す、これが「論破」なのだということを良く覚えておきましょう。












小論文の基礎固め その1 小論文には2種類の書き方しかない

今回から、小論文の基礎的なことについて書いていこうと思います。


今日は、小論文には大きく分けて2種類の書き方しかないことを覚えてください。


では、その2種類の書き方とはどういう書き方のことでしょうか。


1つは、いわゆる「主題型」と呼ばれるものです。

自分の考えや主張を最初に示すという書き方のことです。


論の流れ(構成)としては以下のようになります。


【主題型】

主張・立場・考えを簡潔に示す

どうしてそのように考えるのか、その理由や根拠を示す

これまでの論述を深めた形で、主張・立場・考えを再度提示してまとめる


もう1つは「問題提起型」と呼ばれるものです。

最初に何らかの問題意識を示し、その問題について分析・考察して結論を出すというものです。


論の流れ(構成)としては以下のようになります。


【問題提起型】

問題提起する

提起した問題について、その問題の原因や背景などを分析・考察する

これまでの分析・考察をふまえ、解決策など提示してまとめる


どんな問題・課題であっても、この2つのどちらかで小論文は書けるようになっています。

小論文の書き方が分からない、どう構成すれば良いのか分からないという人は、まずこの2つの書き方を頭に叩き込んでおきましょう。慣れてくると、小論文はこのフォーマットのどちらかに沿って書けば良いだけの話だということが分かってくるはずです。

小論文にふさわしくない表現色々 ~小論文は小説やエッセイではないのだ

前回、小論文には小論文という形式にふさわしい表現があるのだということを書きました。


「僕」や「自分」では小論文で用いる一人称としてはふさわしくない。ふさわしいのは「私」でしたね。


では、小論文にふさわしくない表現って、ほかにどういったものがあるでしょうか。そして、ふさわしいのはどういった表現なのでしょうか。


例えば、「あんな」「そんな」「こんな」「どんな」というのは、小論文においては適切ではありません。

「あのような」「そのような」「このような」「どのような」とする必要があります。


(例)×「こんな話」→○「このような話」



「~みたい」という表現も、小論文の場合、幼い表現です。「~のよう」とするのが良いでしょう。


(例)×「嘘みたいな話」→○「嘘のような話」



体言止めや倒置法を用いている小論文も良くみかけます。受験生としては、体言止めや倒置法を使うことは効果的だと考えているのでしょう。しかし、小論文では全く不要なものです。むしろ、体言止めや倒置法を使っている受験生の小論文について、採点者は経験から、「内容の浅さを技法でごまかそうとするもの」と考える傾向が強いようです。小論文を技法で飾りたてる必要はありません。小論文は小説やエッセイではないのです。考えや主張を、いかに分かり易く述べるかが大切であり、文章のうまさや技法が注目されているわけではないのです。


(例)×「近年特に注目されているのは地球温暖化。」→○「近年特に注目されているのは地球温暖化。」

   ×「彼は語った。その思いの全てを吐き出すかのように。」→○「彼はその思いの全てを吐き出すかのように語った。」


ほかには、「です・ます」体の文章で書かれている小論文、「です・ます」体と「だ・である」体の文章が混在している小論文があります。小論文では、文体は「だ・である」体で統一するのが鉄則です。


(例)×「私は将来、考古学者になりたいです。」→○「私は将来、考古学者になりたい。」



まだ色々とありますが、その他については、実際の小論文を見ながら、今後説明していきたいと思います。





ちょっとした注意 ~つまらんことでも、採点者はそこにこそ受験生の知性を見る

「僕」「俺」「自分」「私」「アタイ」「オイラ」「おれっち」「ワシ」…


日本語には自分自身を言い表す言葉がたくさんありますね。


では、小論文で自分自身を表すのにもっともふさわしいのはどれでしょう?


正解は「私」です。


まず、「アタイ」「オイラ」」「おれっち」「ワシ」ですが…。小論文でこれを使う人っていうのは滅多にいないでしょう。

問題は「僕」「自分」です。


「僕」を小論文で用いないのはどうしてかと言うと、小論文で用いる一人称としては「幼い」からです。

「自分」を用いないのはどうしてか、これは私も良くは知りませんが、どうも軍隊風なとこがあるから、とのことです。


自分自身を表現するということに限りませんが、小論文には小論文にふさわしい表現、スタイルというのがあります。これは案外忘れがちのことですので、頭の片隅に常においておきましょう。


「僕」でも「自分」でも、そんなんどーでも良いじゃん、という人もいるでしょう。


しかし多くの採点者は、そんな「どーでも良い」ところで、受験生の知性を推し量る面があるのです。

つまらないことで採点者の偏見を呼び覚ませないようにする必要があります。




小論文、基本の基本 その6~まとめ

今日は、これまで書いてきたことを簡単にまとめておきましょう。


まず1番大事なことは「小論文は他人が読むものだ」ということを常に意識しておくこと、です。自分の中に他人を住まわせること言っても良いでしょう。


「他人が読むもの」なのだから、


文字は丁寧に、濃く、大きめに書く


ことは当然のことでしょう。そして


原稿用紙の基本的な使い方を覚えておく


ことも当然必要です。ルールに従って書いておくことは、他人に読んでもらうための最低限の配慮です。

その上で、


他人の「なぜ」「どうして」という問いかけに説明や証明、分析をほどこしながら、主張をする


ことが必要です。自分の考えを根拠や理由もなく述べたって、他人には理解不能です。

さらに根拠や理由を述べるといっても、それが客観的であること、十分に他人に理解可能でなければ、

理由や根拠は、誤解を招くだけです。それを独創性と勘違いする人もいますが、独創的かどうかは、

他人が読んで理解できた時に、初めて独創的かどうかが判断されるのです。したがって、


論理的破綻なく、考えを述べる


ということが大切、なわけです。






小論文、基本の基本 その5~論理の運びをこそ独創性という

前回は、小論文はどうしたってお題の存在する限り類型化される、という事にについて書かせていただきました。だから独創性=中身じゃないんだよって話しでした。


今回はその話の続きです。

では、中身のある小論文とは何になるのでしょう?


簡単に言います。それは


破綻のない小論文


これが中身のある小論文、なんですね。


ものすごく簡単に思えるでしょう? 実際このことが本当に理解されれば簡単なんですよ、小論文って。

しかし、これが本当に理解されていないうちは、実に難しいわけです。


小論文の試験というのは、概ね800字から1200字程度でしょう。それを1時間程度で書くわけですが、実際これは日頃から書くことに慣れている人でなければ、到底できはしないんですね。


実を言えば、高校生、受験生の知識の総量なんてたかがしれています。その知識の総量は、いわゆる進学校の生徒さんも、非進学校の生徒さんもたいして変わりませんもちろん、五教科の学力っていうことに関しては別ですよ。それは進学校の生徒さんのほうが優秀でしょう。(しかし、大学の教員から見たら、それは団栗の背比べに等しいんです)


しかし、そういうことではなく、同時代に生きる者としてテレビや雑誌、新聞で得る知識、人や学校、社会との関わりの中で得られた世界観なんてのは、まるで差がないわけです。


例えば、某有名進学校のA君と、非進学校のB君に、同じお題で小論文を書かせたとしましょう。お題は分かり易ければ分かり易いほどイイですから、そうですね、まぁ、「平和について」とでも言ったお題が出たとしましょうか。(本当は、もっと込み入ったお題のほうが、良いし、実際の小論文の課題は込み入ってるんですけど)また二人とも、特に小論文を書くために勉強したわけではないとしましょう。


さて、1時間後、二人の小論文が提出されたとします。

で、二人の小論文を、いわゆる独創性などといった点から採点すれば、殆ど差はないんですね。それは先ほどまで述べてきたことからすれば当然の帰結です。出題者側が、類型化できるよう、彼らの個性や独創性を一方向に流れるように操作したんですから。それに大きく見れば知性に差はないし。


でも、この二人のどちらかの小論文を合格としなければなりません。その時、採点者はどちらを取るか、そしてどちらを独創性のあるものとみなすでしょうか。


それは、論理的に意見を運用しているほうの小論文なんです。

そして、ここが大事なんですが、小論文では、その論理の運びをこそ独創性と呼び、中身というのですね。

同じ主張をしていたとしたとしても、その論の運びにこそ、採点者は注目するのです。


論理的破綻なく、自分の意見を述べられている。これが、小論文の中身=内容なのですね。


ですから、小論文は文章のうまい人が合格するわけでもなければ、いわゆる独創的な意見が述べられる人が合格するわけでもありません。論の運びに破綻のない人こそ合格するんです。


そして大学側がそのような人を合格させるのは当然のことなんです。なぜなら、大学で必要とされるのはその論理運用能力だからです。


論を破綻なく運用していくというのは、かなりの練習を必要とします。たかだか一ヶ月二ヶ月で身につく技術ではありません。実際、自分たちの会話を意識して聞いてみたり、思い出したりしてみてください。いかに我々が、論理的にモノを書いたり話したりしていないかが分かるはずです。私達の日常生活では、実は言葉を論理的に運用していることのほうが少ないのです。なぜかと言えば、私達は特に論理的・明晰に語ることがなくても、およそのことを理解できるからです。話す人の表情や仕草などから、不足した情報を自ら補うことで、理解しあえるからです。言い換えると、私達の日常における理解や納得、コミュニケーションなどというものは、言葉とそれ以外の様々な情報から構成され、運用されているということなのです。


ところが、文字だけの世界になるとこうはいかないのです。文字だけで、文章だけで相手を納得させなければならないのです。それ以外にない世界なのです。そしてこれだけで相手を納得させるには、それ相応の訓練が必要なのです。


話の巧みな人が、書かせてみるとどうも不味い文章しか書けないってことは良くありますね。その逆も良くあることです。その理由は簡単で、書いて相手を説得することと、話して相手を説得することとは、相手を説得させる条件がまるで違うからなのですね。

小論文、基本の基本 その4~独創性などという分かったような分からんような言葉に振り回されない

すっかりほったらかしにしておりました…。 仕事に追われるうち、いつのまにかこのブログの存在を、完全に忘却しておりまして。読んでいた方、すみません。


これまで文字は丁寧に書くということと、原稿用紙の使い方をしっかり覚えておくということについて述べてきました。

この二点を無視した小論文は内容以前に落とされる可能性大です。


文字を丁寧に書く、そして正しい原稿用紙の使い方をするというのは、いわば日常での最低限のマナー、エチケットのようなものです。人に何かしてもらったら「ありがとう」と言う、まぁそのくらい最低限なマナーなわけです。

そしてその程度のマナーやエチケットすら欠いている人間と、まともに付き合いたいと考える人がいないように、最低限の基本すらできていない小論文など、採点者はハナから読む気になれない、読んでもまともな点数はつけてくれない、というわけです。


と言うわけで、必ず上記二点は厳守してもらいたいものです。


また、小論文と感想文の違いも、簡単に示しておきました。


さて、それでは今回は、少しだけ小論文の中身=内容に関することについて述べていきたいと思います。


一般的に、「小論文は内容が大事」と言われます。これは本当のことです(無論、今まで述べてきた最低限のこともできていない小論文は論外ですが…)。またこのブログを読んでくださっている方も、そう思っていることでしょう。


では、問います。


「中身=内容」って、何ですか?


こう問われてみて、明快にその「中身=内容」とはかくかくしかじかである、と答えられる人はそうそういないのではないでしょうか?


もっとも、中には「独創性のあるもの」が中身だ、という人もあるかもしれませんね。

けれども、それについて私ははっきり否定します


私は、これまでに高校生の小論文を何枚となく添削してきました。しかし「こいつぁすげぇや!!」などと思えた独創的な小論文には一度もお目にかかったことがないからです


「そりゃ、あんたに見る目がないからだよ!!」と言われるかもしれませんね。確かにその通りなのかもしれません。案外、今まで見てきた小論文の中に、光るものがある小論文もあったのかもしれません。


しかしですね、飽きるほど高校生や受験生の書いた小論文を見てきたからこそ言えることもあるんですね。では「言えること」って何か。

それは、どんな受験者の小論文も、数パターンの解答しかないってことです。


「○○について論じよ」という小論文があったとしたら、そうですね、どんなに多くても10パターンくらいの解答しかないんですよ。嘘だと思うなら、いっぺん○研ゼミだとか○会の赤ペン先生のバイトでもしてごらんなさい。うんざりするほど納得できるはずですから(笑)。


分かり易く説明しましょう。


そもそも小論文っていうのは、必ずお題があるわけです。そしてそのお題について論じていかなければならない。これはつまり、はじめから受験者をある枠の中に閉じ込めてしまうわけですね。「このお題の枠内でモノを言え」と。まぁ、出題者は受験者をあらかじめ檻に閉じ込めるわけですね。


ここでひとつ良く考えてみましょう。


小論文の受験者はこの出題者の好みで作られた(?)檻の中で何事かを述べていかなければならないわけですから、当然受験者は、受験者本来の独創性を思うがまま発揮できるなんてことはありえないわけですね。だせたとしても、このお題という檻の中で発揮できる独創性なんてたかがしれてるわけです。


もっとはっきり言ってしまうと、お題という枠組の中で発揮したはずの個性や独創性なんて言うのは、概ね他人の誰かとそっくりになる、ということです。そして他人の誰かとそっくりな個性や独創性なんて、もう独創的でも何でもない。ただの類型なわけです。そしてその類型がパターンとなるわけです。

だから小論文の中身とは「独創性のあるものだ」なんてな主張を私は否定するわけです。


それでも、「自分の書いた小論文は独創的なはずだ!」と強弁する人もいるでしょう。そんな人は、同じお題で他人の書いたものを見せてもらったら、似たり寄ったりなものだと分かるはずです。

そして、概ねこのことに自覚的な受験者は、合格点の小論文を書き上げてきます


こう言っても納得されない人もいるかもしれませんね。世の中色々ですから(笑)。

では、こういう説明はどうでしょうか。


話しが簡単になるので、大学受験の小論文を例にあげてみますね。

大学受験の小論文の出題者は、大学の教員ですね。

さて、その大学教員が自分の専門分野に関連するようなお題を出題したとしましょう。その時あなたは「独創的な小論文」を書ける自信はありますか? 


そもそも大学教員は、その道のプロです(怪しい大学教員もいますがね)。ですから、いわゆる自分の専門分野に関してはそれこそ膨大な知識を有しています。それは多分、高校生の想像をはるかに上回る知識です。そんな人に、あなたが「独創的だ」と思える小論文を提出したとしてごらんなさい。恐らく相手は、こう返してくるはずです「ツマラン、お前の話しはツマラン!!(←古っ)」と。


それもそのはずです。相手はその道のプロ。したがって、たいていの「独創的」と本人が思い込んでいる内容は、相手にとっては昔どこかで読んだ話だったり、あるいは膨大な知識から「それは○○という事実からありえない話だ」とあっさり否定される類のものなのですね。ですから、独創性なんてのは、なかなかありえない話であるんです。自分自身がはじめて言ったはずの独創的な意見も、実はすでに誰かが言っているものなんです


もう一つ二つ、小論文の中身が独創性なんてことはありえない理由を述べましょう。


小論文は概ね、800字とか1000字、1200字なんてのが多いでしょう。たったそれだけの字数でですね、どうやって個性や独創性なんてのを出す余地があんのか、と。


そして、そんなに小論文が独創性に満ち溢れたものばっかりだったら、採点する側は困るんだよ!! という、身も蓋も無い根拠があります(笑)。もっともこれは、そうならないように、しっかり受験生が類型化されざるを得ないような出題するわけですがね(笑)


えー、次回もこの中身について書いていきます。

次回はもう少し、中身そのものについて詳しく書くよう努力しますです、はい…orz

小論文、基本の基本 その3~原稿用紙の使い方を覚えておこう

以下の問に答えてみてください。


①書き出し、段落を改める際には1マスあける必要がありますか?


②英単語を書く場合、マス目はどう使用するのが正しいですか?


③横書きの小論文で算用数字を書く場合は、どうマス目を使用するのが正しいですか?


④小論文での会話文は、改行する必要がありますか?


⑤括弧(「」)と二重括弧(『』)の使用の違いは何でしょうか?


⑥「?」「!」といった記号を使用した際は、何に注意しなければなりませんか?


⑦「人々」「次々」といった「々」(踊り字)が行頭に来てしまったら、どうしなければなりませんか?


⑧句読点や閉じ括弧は行頭に置いても良いですか?


⑨閉じ括弧と句点は同じマス目に同居させますか?


問は全て原稿用紙の使い方に関することです。こういったことは確実に知っておいてほしい事柄です。

では、答えです。


①書き出し、段落を改めた際は、1マス空けます


英単語は1マスに2字ずつ書きます。例えばroomという単語なら、2マス用いるわけですね。


③横書きの小論文では、算用数字で、1マスに2桁ずつ書きます。ちなみに縦書き小論文では必ず漢数字で書きましょう


④小論文では、会話文を改行する必要はありません


「」は主に会話や何かからの引用の際に『』は書名もしくは「」内で会話や引用がなされる場合です。

 例「花子さん、こんにちは」(会話)

   漱石は晩年「則天去私」という言葉を残した。(引用)

   漱石の『坊っちゃん』(書名)

   「昨日、私は父に『映画を観に行かないか』と誘われたよ」と花子は言った。(「」内の引用)


⑥「?」「!」といった記号を使ったら、次のマス目は1マスあけるのが原則です。ただし、「?」「!」が行の最後に来た場合、次の行の最初のマス目を空ける必要はありません


行の最初に踊り字「々」を用いることはできません。したがって「次々」なら「次次」、「人々」なら「人人」といったような具合になります。


読点や閉じ括弧は行の最初のマス目には用いません。最初の行にこれらが来る場合は、前行の最後のマス目に同居させます。


同じマス目に同居させます。


※ 小論文では原則「?」「!」「…」は用いません。しかし、会話文(つまりは「」内ですね)では用いても問題はありません。