こんにちは
松花堂昭乗研究所です。
今年の仲秋はうっとりきれいな月をながめました。秋ですね。
9月13日(土)、穏やかな初秋の午後、定例講座を開催しました。
8月下旬に、今秋の特別展のチラシやポスターが出来上がりまして、本日はみなさんに配布させていただきました。開催まであとひと月をきりました。どうぞお楽しみに。
さて、まずは「松花堂昭乗の書状をよむ」から。
本日の書状は年代の特定か可能な一通でした。時期が特定できると、うれしですね。
内容から、寛永7年のものと判断されました。まずは手掛かりとなるのは以下の3点です。
・瀧本坊の署名があること。
・文中に「女院御所様」が登場し、お悩み(御病気)であること。
・差出月日が「初夏仲七日」であること。
そして「女院御所様」は中和門院前子と想定され、「女院御所様」の呼び名は御水尾天皇退位(寛永6年)ののちと想定されます。前子様は寛永7年7月までご存命なので、差出月日の「初夏仲七日」(4月17日)を考え合わせると、寛永7年とするのが適当ということになります。
文中にうまくヒントがあると、年代が特定できます。
パズルがぱちっとあてはまるような感じですね。
さて後半は、本日も「男山栞」をよみました。
半斎さん、天明8年(1788)に昭乗さんの百五十御忌に参列したんですって。
昭乗さんの没年は寛永16年(1639)ですからね、そういう時期なんですね。
法会は鐘楼坊でとり行われたといいます。導師は萩坊乗喜がつとめました。
昭乗さんといえば瀧本坊が連想されますが、法会に関する記述に、安永2年(1773)に火災に見舞われた瀧本坊の名は出てきません。ちょっとさみしいですね。
鐘楼坊での法会では、昭乗さん自筆の自画賛像が掛けられたとのことです。
半斎さん、思わず「昭乗さん大好き」と涙ながらに小さくささやいたのではないでしょうか・・・。
そんなこんなの記述でした。
今回も難読箇所が多く、保留にした部分が結構残りました。
来月もどうぞよろしくお願いします。
次回の定例講座は10月11日(土)です。
そうです、そうです、特別展の初日です。盛りだくさんです。
松花堂美術館 開館12年特別展
「はちコレ 八幡のコレクションー松花堂美術館の収蔵品からー」
10月11日(土)~12月14日(日)
会期中前期(~11月9日)、後期(11月11日~)で展示替えをいたします。
そして、10月12日(日)には、第32回 松花堂忌茶会 が開催されます。
茶席券残数まだ少しございます(平成26年9月13日時点)。
その前に・・・もうすぐ9月18日、昭乗さんの祥月命日です。
私は、特別展のことなど、ご報告したいと思っております。
今年も昭乗さんを偲ぶ秋となりました。
それではまた来月に