ヤマト運輸の2代目社長である小倉昌男氏の人生を描いた本。
1代目で創業者の家族としての人生。
学生時代の話や闘病生活、総務から営業部長、そして取締役。
社長就任後の宅急便開始の意思決定。
小倉氏の人生の葛藤が描かれらとても面白い本だ。
特に印象に残ったのは下記3点。
■長距離・大口輸送参入の失敗から得れた宅急便サービス。
小倉氏の判断で長距離・大口輸送参入をし、小口輸送を撤退。売上高は伸びたが収益は悪化。
業績分析を競合と比較し行った結果、小口輸送が利益率を上昇させていることに気付いた。
大口輸送に重点をおいた戦略は間違いだったことに気づく。
しかし、すでに手遅れの状態。苦悩の末、閃いたアイデアが家庭の主婦をターゲットにした小口輸送サービス「宅急便」である。
外部環境分析・競合分析を行い、業界の常識では間違いである家庭向けの小口輸送サービスへの参入を意思決定し、徹底した顧客思考で大きな市場を創造したのである。
その中での組織改革もとても面白かった。
■筋の通らないことは許さない。前代未聞の行政訴訟。
路線トラックの免許申請では運輸省が「地元の業者の反対を抑えればいつでも免許をだしてやる」と返事。消費者の利便性を考えるのが行政の仕事である。
またPサイズ(2キロ以下の荷物)の新価格申請も却下。
クレジットカードやDMも信書にあたると郵政省から訴えが来た。
全て論理的に解決。
政治家に頼らず信念を通し経営を行っていく姿勢にとても共感を覚える。
■資材を投じて福祉財団を設立。経営ノウハウを伝える。
「福祉は素人だが、経営ノウハウは伝えられる」
全国で福祉関係者向けの経営セミナーを開催。
「月給1万円で行っている福祉事業は悪いことを行っているのと同じ」
という刺激的なメッセージで始まる経営セミナー。
障がい者の支援ではなく、自立を考え業界の改革を行うという志に共感を得ました。
最後に書かれてあるメッセージがとても印象的です。
『今は月給1万円でも、まず3万円に挑んで欲しい。3万円にして無理だったら障がい者達に「ごめんなさい。私の考えが浅かった」と謝って2万円でやり直せばいい。経営者として私も「間違えた。ごめんなさい」の連続だった。うまくいったらまた3万円に再挑戦する。次に5万円。山を登るように一歩一歩、上を目指して欲しい。10万円も決してゴールではない。ともかく、話を聞いているだけでは始まらない。やればわかる。やらなければ分からない。』
挑戦し続けた人だから言えるとても印象的な言葉。
前に進まなければ分からないこと、経験しなければ見えないものばかりだと改めて感じました。
iPhoneからの投稿
1代目で創業者の家族としての人生。
学生時代の話や闘病生活、総務から営業部長、そして取締役。
社長就任後の宅急便開始の意思決定。
小倉氏の人生の葛藤が描かれらとても面白い本だ。
特に印象に残ったのは下記3点。
■長距離・大口輸送参入の失敗から得れた宅急便サービス。
小倉氏の判断で長距離・大口輸送参入をし、小口輸送を撤退。売上高は伸びたが収益は悪化。
業績分析を競合と比較し行った結果、小口輸送が利益率を上昇させていることに気付いた。
大口輸送に重点をおいた戦略は間違いだったことに気づく。
しかし、すでに手遅れの状態。苦悩の末、閃いたアイデアが家庭の主婦をターゲットにした小口輸送サービス「宅急便」である。
外部環境分析・競合分析を行い、業界の常識では間違いである家庭向けの小口輸送サービスへの参入を意思決定し、徹底した顧客思考で大きな市場を創造したのである。
その中での組織改革もとても面白かった。
■筋の通らないことは許さない。前代未聞の行政訴訟。
路線トラックの免許申請では運輸省が「地元の業者の反対を抑えればいつでも免許をだしてやる」と返事。消費者の利便性を考えるのが行政の仕事である。
またPサイズ(2キロ以下の荷物)の新価格申請も却下。
クレジットカードやDMも信書にあたると郵政省から訴えが来た。
全て論理的に解決。
政治家に頼らず信念を通し経営を行っていく姿勢にとても共感を覚える。
■資材を投じて福祉財団を設立。経営ノウハウを伝える。
「福祉は素人だが、経営ノウハウは伝えられる」
全国で福祉関係者向けの経営セミナーを開催。
「月給1万円で行っている福祉事業は悪いことを行っているのと同じ」
という刺激的なメッセージで始まる経営セミナー。
障がい者の支援ではなく、自立を考え業界の改革を行うという志に共感を得ました。
最後に書かれてあるメッセージがとても印象的です。
『今は月給1万円でも、まず3万円に挑んで欲しい。3万円にして無理だったら障がい者達に「ごめんなさい。私の考えが浅かった」と謝って2万円でやり直せばいい。経営者として私も「間違えた。ごめんなさい」の連続だった。うまくいったらまた3万円に再挑戦する。次に5万円。山を登るように一歩一歩、上を目指して欲しい。10万円も決してゴールではない。ともかく、話を聞いているだけでは始まらない。やればわかる。やらなければ分からない。』
挑戦し続けた人だから言えるとても印象的な言葉。
前に進まなければ分からないこと、経験しなければ見えないものばかりだと改めて感じました。
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