エクストラストーリー3 オイラの一期一会 その3 | SYOTTAのブログⅢ

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主にショタっ子の尿系のお話をメインとしたショタっ子のお話や絵などです。

 夕方になり、セミの鳴き声の中心が、アブラゼミからひぐらしに代わっていた。


「そろそろ帰るか」


「うん、楽しかった」


「そっか、よかった」


 帰り道の森の中は、昼頃とは違い薄暗く少し不気味だった。ひぐらしの鳴き声も


その怖さを増幅させた。


「ちょっと気味悪いな」


 少し怖がってる剣進を見た太一は立ち止った・・・・・・


「どうしたんだ?太一」


「実はな、20年前この森で首を吊って自殺した人がいるんだよ・・・・」


「えっ!」


 剣進の表情が少し強張った。


「それで夜になるとな、その人の霊が山の中を動き回るそうだぜ」


「ふ、ふ~ん、でも今はまだ陽も沈んでないし・・・」


「いや、時々夕方にもでるらしいぜ」


「え・・・・本当に?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「?・・・・太一・・」


「・・・ゥワッ」


「ギャーーーーーー」


「ハハハハ、お前こんな単純な事に引っ掛かるなよ、全部ウソだよ」


「ハーハー、あーびっくりした」


 剣進の呼吸はまだ整っていなかった。


「剣進って意外と怖がりなのな、もしかして夜一人でトイレに行けないんじゃないの?」


「そ、そんなことないよ」


「ほんとか?」


「ほんとだよ」


 と、次の瞬間剣進がブルルと震えた


「どうした?剣進」


「ちょっとタイム、オイラオシッコ」


「なんだ・・・・そうだ、ならさっきのところに行くか、ちょっと我慢できるか?」


「うん、大丈夫」


 太一が連れてきたのは、さっきの大きな木がある場所だった。そこからは沈みかけた


大きな夕陽が見えた。


「うわ~」


 剣進が思わず声を漏らした



「どうだ?こんな爽快なトイレは無いぜ、何しろここはオレの秘密の場所であるのと

   

 同時に、この村一番の・・・・」


「た、太一・・・説明はまだ続くの?オイラ漏れそうなんだけど・・・・」


「ああー悪い悪い、もういいよ。落ちないように気を付けろよ」


「うん」


 剣進はいつもの様に半ズボンの右裾から、可愛い一物を取り出した。


「それーーーー」


 体を反らせ、勢いよくオシッコを始めた。


剣進の小さなダムに溜まっていたまっ黄色のオシッコは、夕陽の光でキラキラ光りながら崖下


夕焼け 立ちション

へと消えていった。そこへ太一が隣にやって来た。


「何か剣進の立ちション見てたらオレもしたくなってきた」


「ようし、友情の連れションだ」


「ハハハ、そりゃいい」


 太一は剣進のチンチンをチラッと見てみた。


「プッ、剣進のチンコって幼稚園児みたいだな」


「む、うるさいな、別に普通だよ」


 ちょっと剣進はムキになって答えた。


「おっ!、オレの方が遠くまで飛んでるな」


「くそ~、ふんっ」


 剣進はチンチンに力を入れて頑張ったが、太一にはかなわなかった。


二人ともオシッコを出し終わった。


「チェッ、オイラの負けだ」


「フフフ、出直してくるがいい」


「よーし、明日また勝負だ」


「・・・・・悪い、明日はオレ駄目なんだ、法事があって二日日間帰ってこれないんだ」


「二日って、オイラあと二日間しか居られないのに」


「そっか・・・・・じゃあ、一緒に遊ぶのは今日が最後になっちまうな・・・」


 二人は少しの間、夕陽を見ながら黙ってしまった。


「じゃあさ、来年はオイラの家に遊びに来いよ、父ちゃん達にはオイラから話しておくから」


「そうだな・・・・・・そうさせてもらうかな」


 どこか浮かない顔をしている太一を、剣進はこのとき気が付かなかった。


家に帰った剣進は、皆に太一と遊んだこと、来年また会う約束をしたことなどを話した。


しかし剣進は、後にそれが叶わない願いであると知る。残りの2日間は、仕事を終えて帰って


来た父の剣吾と一緒に遊んだ。そして最終日の朝・・・・


「おーい、剣進ー」


 太一が剣進を訪ねてきた。


「ほら、これ約束のカブトムシだ」


「うわっサンキュー、すっかり忘れてた」


「何だよ、人がせっかく早起きして捕まえてきてやったのに」


「ゴメン、ゴメン」


 剣進はカブトムシの入った虫かごを嬉しそうに受け取った。


「剣進と一緒に遊んだ日のこと、忘れないぜ」


 気のせいだろうか、太一の目少し涙が見えた様な気がした。


「来年、楽しみに待ってるからな」


 太一は顔を背け、何も答えなかった。


「ちょっと目にゴミが入っちまったみたいだ」


 その姿は泣いているのを見られたくない太一の姿だった。


「・・・太一?」


「・・・・・じゃ、じゃあな・・」


 そう言って太一は走り去ってしまった。どんどん小さくなっていく太一の後姿を、ただじっと


剣進は見つめていた。不思議と言葉が出てこなかった。これを最後に太一と会うことは2度


と無かった。太一と別れてから数日後、太一が引っ越した先が海外だと知らされたもう日


本には帰れない。もう会うことは出来ない。別れ際に太一が流した涙にはそんな理由があっ


た。太一はそのことを剣進に言うことが出来なかった。父親の仕事の都合ということだった。


時が経っていくにつれて、お互いの記憶から少しずつ忘れられていってしまっひと夏の思


出・・・・・・・だが年月が過ぎても、何度か2人の夢の中であの日の思い出は再現されて


いた。

 


  あの日・・・・・夏休みに出会った少年、太一と剣進、お互いにその思い出は、心の奥にちゃん


と刻まれていたのだった。