肩甲骨剝がしたい。

つまりは右肩が痛い。

最近はもっぱらをたくをやっていて肩が痛くなるようになった。昔は肘だった。腕の振りが大きくなっているから痛くなる箇所が変わっているのだろうな。スペースが大きくとれるから。昔はとかくコンパクトにやらざるを得なかった。

要は投球動作みたいなものをやるけれど、しかも地面と平行なところで止めるもの、そんなものは肩肘にいいわけがないんだよな。

いったい僕はをたくとして何をしているのだろうね。そして何の話かわからない人もたくさんいるだろうね。わからない人にわかるような書き方もしていない。何かを伝えようとしていない。肩甲骨剥がしたい。

 

久々のマキタジャーナル公開収録イベントがあった。まきたさん、今回は元SDN48の亜希子こと大木亜希子氏を呼んでの、収録という名のトークショー。というか取材なのだから収録と言っていいのだろうか、収録という公式タイトルだったような気がするが、あんまり覚えていない。

予約メールを開いた。収録だった。ちゃんとまきたさんのボイスレコーダーに録音できていただろうか。

 

内容もあんまり覚えていない、ということもないが、要は呑んで、呑んで、呑んで、結局会場で6杯呑んで、確かビールと焼酎ロックを3杯ずつ呑んで、それなりに酔っぱらいながら、始終楽しかった気がする。そして、現役のアイドルさんに聞いてほしい、というか聞いたら「わかる」と100回頷くような、まあそんな話だった。

 

今更まきたさんがアイドル時代を奔放に振り返って(自分のことは極めて明るくしかし散々に言っても、グループ自体のことを悪く言ったりはしない、だからというのでもないが、それなりに気持ちがいい)もそんなに驚きはしないし、こう明るく振り返ることができるようになったかぁ、と感心する時期ももう過ぎている。

亜希子(さんとつけたものかどうか、元48、しかもかろうじて僕が行っていたころにかする、のかドンピシャ、なのかあんまり覚えていない、いずれにしろ僕と重ならないことはない(ただしSDNは1度くらいしか劇場で見たことないはずだが)時期の人であるなら呼び捨てでも、という気が、少なくとも彼女が48の現役だったころはもちろん呼び捨て、ナツアキのアキね、くらいだった気もするが、まあ親しくもないし、つけるか、そう、つける)さんの話もまた、ものすごく意外だった、衝撃、というのではなく、まあ当然にそうなのだろうなあということを、ただし本人の経験と思考をもって明確に語られることが続く、というところで、興味深くはあった。

そして亜希子さんがどちらかというとさこの話をよく引き出していた気がする。どちらが聞き手、書き手なのかよくわからない対談。ただ、さすが今売り出し中のライター、大変に聡明だなあ、という感想は持った。

 

アイドルをやるような人であれば当然目立ちたがりというか自尊心があって、SDNという場はその自尊心を容赦なく剥がしていった。

言葉は全く違うような気がするが、ニュアンスとしてはそのようなことを言っていた気がする。歌、ダンス、容姿、そのようなもので人気が決まるのでなく、要は接触が強い、人(というかをたく)に強い、扱いが上手い人がのし上がっていった世界、とも。そしてその中で、SDNに入る前からキャリアもあって、それなりに抱いていた自分の自尊心が剥がれていった、なんて話。

そりゃあそうだなあと思う。まったくどのレベルのアイドルでも共通じゃないかなあ、と思う。ステージに立っているのなら自尊心もあって目立ちたがりでもあろう。私ほんとにそういうの無理なんです、本心からそういう人はあんまりお目にかからないであろう。歌やダンスが人気を得るのに役に立ちゃしない、全くの真理で誰もが知っている。世知辛い。

 

質問コーナーではアイドルのセカンドキャリア問題、などという話があった。

質問された方も言っていたとおり、スポーツ選手ではこれはよく話題に出ることで、サラリーマンなどと比べれば当然に短い現役の期間、その次をその間から考えておくべきではないか、業界全体で教育を施したり、なんらかの取り組みをしていくべきではないか、そんな文脈はそこらじゅうでお目にかかる。そこで、現役アイドル期間中において、セカンドキャリアを考えること、についての質問だった。

まきたさんは「ただ全力で今の目の前のことに取り組むべし」というようなことを言っていた。がむしゃらにアイドルをやれと。

 

まきたさんがそうやってきてその結果ボロ雑巾になってその後逞しく復活を遂げて、駆け抜けて燃え尽きたアイドル時代を見事に糧にして今突き進んでいる、というマッチョなキャリアを積んで、それなりに今が充実しているからこそ、言えることだろうな、と思う。結構多くの人はそうもうまくいかない。その場合、どうするのだろう。なんだかんだレールを大きく踏み外しはしなかった、安直には流れながらなんとか生きながらえている僕としては、それはなかなかいばらの道のような気がしてしまうのだが、そんな気がしてしまう人はそもそもアイドルなど、芸能などしない方が良いのだろう。人には向き不向きがある。

しかしセカンドキャリアに思いをはせる、それを考えてみることはそう悪くないとは思うのだが、まあ、そんな暇などないくらい駆け抜けるようでないと、成功などしないのだろう。本当か?実際はどう生きていようと多分に運な気もする。それを言っちゃあおしめえよ。

 

あの子は、あの子は、あの子は、自尊心が剥がされていっているのだろうか。血を流しているのだろうか。

僕の眼前にいるアイドルさんの一番手はもちろん、もちづきさあやちゃんだ。まきたさんの愛弟子、もちづきさん。

いろんな話をする。僕は八割がた押し黙っているから、もちづきさんが沈黙を埋めようといろいろ話題をひねり出しなんとか場をつなぐ、というのが日常で、故に下らぬ話、生活の話、メンバーの話、思っていること、まあ多種多様な話になる。

たまに切なくなる。詳述はしない。君はそれでもステージに立つんだね、そう思うことがある。

自尊心だって持っているだろう。持っていただろう。もともと持っていたものは粉々になった部分もたくさんあるだろう。最初から粉々だったことも、それが反骨心になっていることもあるだろう。

もう少し運に恵まれ人に恵まれ、もう少しだけ自信を持てるようになったら、とは思う。

 

いつも私は一生懸命やってるよ、気を抜いたことなんてないよ、最近よくそう主張されることがある気がする。それは彼女の自尊心というかプライド、である気がする。

あくまでフィーリングだが、初期に比べれば、ステージ上では安定している気がする。ものすごい勢い、というよりは常にしっかり踊り歌え、そして常に笑っているような。いつ何時見てもしっかり望月さあやをやっているというか。コンスタントさが増しているような。

最高のプロらしさはコンスタントさ。

これは野球ライターの安倍昌彦氏の言葉だったか。僕はとかく読んだものに影響を受けやすい。この人のいくつかの言葉、思想も僕に染みついている。

詰まる話が、もちづきさんはちゃんとこの1年半でプロになってきている気がする。そう言いたいだけだ。

 

まきたさんのファンクラブ、と公称はしていないが、そのようなものである、「サコクラブ」が終わる。

Facebookベースで動く月額制の団体であり、当初は写真、文章、動画やラジオじみた番組等、様々な試みが行われようとし、そして会員限定のイベントも定期的に行われていた。その代わり初年度は月額3,000円という、なかなかの狂気であった。

今年は月額1,000円に下がり、その代わりイベントごとに2~3,000円程度徴収される、という形式になっていた。当初の様々な試みは頻度が下がったり、なくなったりしていた。

当初からまきたさんは「何をすればよいのかわからない」と言っていた。結局その答えが見つからなかったのであろう。

本人も終了の挨拶で言っていた通り、仕事がない時期にとにかくもがいた中の一環であり、あくまで彼女とその周囲の方がファンへのサービスというよりは彼女のために作った枠組みであり、今の彼女の躍進ぶりを見れば、その役割ははっきりと終えたということなのだろう。

 

もちろんイベントを含め、僕はかなり楽しませてもらったから、寂しさはあるが、あとはもっと彼女が大きい存在となって、真の意味でのファンクラブを設立することができるようになれば、と思っている。その日を待とうと思う。そんな時までファンをやっている保証などどこにもないのだが。