新しいことを始めるには春はちょうどいい季節で。

しかしまたなぜ何も知らない者がアイドル運営などやろうとするのだろう。

巫山戯た名前だ。

 

少しは提灯持ちでもした方がよいのだろう。

しかしできない性分だ。

 

・きゃわたんレコード Presents「4 Colors きゃわきゃわ Night」@心斎橋 AtlantiQs、渋谷 CLUB CRAWL

 

槙田紗子が仕事をし過ぎていると聞いた。選考過程での審査員から、基礎レッスン、4組中3組の振付まで。

上野?有沢?来夢が復活の狼煙を上げると聞いた。唯一、さこが振付をしていないグループで。

かすかにずれたクロスポイント、いきなり大阪と東京をまたにかけてのデビュー戦。

最近、ろくにさこの仕事を見に行くこともなかったが、一念発起して(酒と、ミイラ取りが結構ミイラになった男のせいで)大阪、東京と実に久しぶりに見届ける旅。

 

大阪はおそらく100オーバー、東京も100近くの客入り。大阪は3割は演者の関係者と見えたが、得体のしれぬ新興事務所が立ち上げたアイドルのデビュー戦としては上々だろう。

実際、聞く話からするに、本当にアイドルを知らぬ事務所のようだ。事業としてそんなに魅力的なフィールドだろうか。

(おそらくぷらっとこだまとはいえ)本人たちを往復新幹線移動させ、(ほとんど全く無駄に)大阪に2泊させ、羽振りは良いようである。それが長く続くこと、グループ自体が長く続くことを願うが。

 

渋谷での出演順に。

 

・MerryCute

4組の中で唯一大阪に拠点を置く。「見るだけで幸せになる」5人組王道アイドル、とのこと。

ふわっふわの衣装に身を包み、どこかに忘れてきたような甘いアイドル、曲の底でポコポコ鳴ってるドラムだったりなんやりを追いかけているとちょこっとだけ幸せになって、目を閉じていたくなるような、という楽しみ方は僕のへそ曲がりがなせる業か。

 

中央の子が挙動不審、いや、魂をどこかに置いてきたように、視線を一転に置いたまま、あまり表情もなく。

とはいえ大阪では(完全台本通りの)MCが覚束なかったから、完全に装っている、というのでもないのだろう。

心配すべきか、生温かく見ているべきなのか。プラスの意味とは言わないが、目を引く。

あと、一人、学校の部活で鍛えているのだろう、えらく筋骨隆々の子がいたような。このユニットではその身体能力を生かす場もないだろうが。

 

 

・Liliumove

「歌で心を揺り動かす」2人組アイドルユニットとのこと。

もっと歌唱方向にテクニカルに作ってあるのかと思ったが、緩い、穏やかな日差しの下のようなユニットだった。嫌いじゃない。推すほどじゃない。

作りはテクニカルじゃなくても、上手くアーティスト写真からダイレクトに想定される方向に、多少はテクニカルに伸びてくれればよいなと思うのだけれど。

 

をたくは長くやるもんじゃない。あるいは長くやるものだ。

切ないものか、楽しいものか。

どうも素性をそこまで隠す気もないようだから、上手くやってほしい。

 

 

・malika

「音で思考を支配する」3人組アイドルユニットとのこと。

勝手にBOOM BOOM SATELLITESみたいなものを想定していたが、支配までは至らなそうな優しいビートだった。

 

振付はキレ重視、衣装はセクシー重視。

うえ、いや、あり、もとい、Ramのネクストステージとしてはこの上もないのではないか。

サンミニ・セカンドと呼んでしまっても、きっと悪くない。それは様々な意味で。

それはつまり女の子が憧れる路線であり、男の子は好まない路線であり、きっとアイドルであれば苦労するのだが、やっている本人が楽しいのがまず第一だろう。

センターで水を得た魚のように、存分にやってきた我が世の春を謳歌するRamがそこにいた。

 

経験者が2人。

残りの1人、Ayumiを見ていて、大昔のAKB48・石田晴香のデビューの頃を思い出した。

もっともはるきゃんはもっとか細くもっと挙動不審で、それでもって並みいる劇場のロリコン共を全員まとめて撫で斬りにしていたのだが。

 

 

・ASTROMATE

「明日誰かに教えたくなる」7人組ロックアイドル、だそうな。

まあフックとしてはここだろう。キャッチフレーズどおり、軽快なロックチューンに載せて勢いよく踊る。

この路線なら近年だって枚挙に暇はない、山口活性学園、MAPLES、そのあたりがすぐ名前として浮かんだ。

別にこのグループに限らず4組ともそうだが、仕上がりはもうそれなりに良い。そこいらの地下にありがちな、壇上に登る者としてそもそも在り得ない甘さ、緩さがない。今後のプロモーション、対バンがうまく組め、上手くいけば、ほどほどの人気は半年程度で出るのではないかと思う。それ以上については僕はわからないが。

槙田先生もどうもお気に入りのように思える。まあ、単に2曲とも振付した唯一のグループであり、一番面倒を見ているからだという気もするが。

 

経験者が(僕が知る限りですくなくとも)2人。

いろんな意味で波乱万丈な渡り鳥・本田夏実と、微かに愛媛の野武士軍団の匂い漂う早崎友理。

 

かつて、デビューしたての早崎を見たことがある。これは箸にも棒にも掛からぬと思った。

その後、どこかの新メンバーになったと聞いた時も、到底務まらぬだろうと感じていた。

あれから何年が経っているのだろうか、あるいは意外と経っていないのだろうか。

諦めず壇上に立っていれば、成長するものである。立派に、新人たちを引き連れて、戦場で躍動していた。

 

今はとにかく強気で押しまくる本田、きっちり屋台骨の早崎が中心だが、そこから他の5人が半年、1年で何を感じてどう成長するか。きっとこの4組のフラッグシップ、うまく、たくましく強くなってほしいものであるが。

 

 

1か月後にまた大阪と東京でワンマン(4マン)、そしてもう各組全国流通でシングル発売。いったい何がバックについているのだろう。

正直、最初話を聞いた時は、うさんくせえ、1年持てばいいほうだと思っていたのだが、今もがらりと印象が変わったわけではないが、それでもまあ、この資金力なら1年は持つんじゃないか、まあ全く資金力で言っているだけなのだが、そんなふうに思っている。

持ってほしいと思っている。

スポットライトが忘れられない依存者と、その予備軍、合計20人も集めてしまったのだから。

 

もう一度言うが、仕上がりはいい。そこいらの地下と比べれば、特にASTROMATEとmalikaは出色であろう。PV見て気になったのなら、行っても損はしまい。と、提灯を持つのも全くぎこちない。

 

気が付けば、今年最初のブログである。

あ・はっぴー・にゅー・いやー。