「膨大なエネルギーを持ってつがえた矢を、放つ先のない喧噪のなかで、俺は何を得たのだろう」

3年前の7月、ミドリ電化尼崎店でのイベントについて書いた、当ブログの一節である。
僕が見る中ではその時以来、実に3年ぶりの、槙田紗子が全く出ないステージ。

この時は発熱かなんかでの短期的なものであったが、今回のは風邪引いたとかそういうものでもなく、もっと体質的なものというか、やっかいなもの、長引くものである気がする。
ツアーの中で、もう1日か2日はこういう日もあるかもしれない。具体的には、横浜か甲府、ちょっとずれて柏、どこかは危ないんじゃないかな。
このあたりで気候が崩れれば、なおのこと。

こういう日も悪くない、なんて言うつもりはない。
推しがいないから他の子を存分に見られる、なんてかけらも思わないし(もちろんいつも見たいところを見ている)、まあ、確かに、他の子を必然的に見るわけで、普段よりは見る頻度も高くなるのだろうけれど。
確かに他の子もヲタクさえもやたらに優しくはなる、それはそれで悪い気はしないのだけれど、やっぱり、さみしいんだよね。

・PASSPO☆「5周年カウントアップツアー中編」1,2部@名古屋Electric Lady Land、浜松窓枠

2日で4本、フライトやってんだよね。疲れるよね。
遠征時は1日1本であとは酒呑ませてくれよって思うんだけどね。

名古屋1部はみお生誕だったねそういえば(記憶喪失)。
いかにもロックフェスらしいリストバンドと、サイリウムはノーマルと大閃光の2本、という生誕グッズ構成。
ただ、その2本を使う曲を連続で出してきた(向日葵とおねがい)というのはあまり記憶になくて、舞台監督、そりゃねえよとは思ったけれど。

増井さんはこのブログでも何度も書いている通り、個人的には手足の短さを逆に生かした、遠心力を最大限に使った動きと、見せ場を外さず確実に決められる感度の良さが素晴らしいと思ってます。
まあ、例えばPO☆の後とかでどう生きていくのか、どう生かして行くのかはさっぱりわからないですが。

その感度のまま走ってもらった方が面白くて良いのだけれど、まあその感度のまま生きる道が見つかればなおのこといいと思うのだけれど、どうなんだろうねえ。
とかくとある方向の女の子と、あとはアイドル連中には人気のある増井さんですが。

朝から今日は顔がむくんでいるだのなんだの言っていた槙田さんなんですが。
最初は何も感じなかったのだけれど、MCの立ち姿もいつも以上に猫背でぼーっとしていて。
プリライのどこでだったかな、明らかに暫く動きが停止して。タップマイトゥでもありえないほどの間違いばかりで。
ここまで至って、これはもうおかしいなと。

だからもう、MASKではいつも以上に気合をかけたつもりだったけれど。
まあ、なんというか、その後はあんまり気が気でなくて。

1部は前のほうで見て、2部は段の上で見て、これがまた、やっぱり僕は見晴らしのいいところでのんびり見ているのが一番好きなんだなって、こういうのやるたびに思うのにまた下のフロアでの戦い選んだりするのなんでなんだろう。

この部のさこは持ち直していたように見えた。少なくとも、表立って動作完全停止とかそんなことはなかったような。
顔がむくんで思うように動けなくて、2部では改善していて、なんて症状だったから、あれ、似合わず二日酔いか?なんてちょこっと思ったりもしたけれど、蝋燭が消える前の最後の輝きだったんだね。

2部終わりの公式のYoutube動画、ドアをくぐるなり、ふらふらと歩いたかと思うと、壁にすぐよりかかって、だるそうに、動きもせず何も声を発さず。
その数時間後、翌日の休演が発表されて。

仕方ないとは思わないけど、厳しいこと言っても仕様がないとは思う。
もう十二分に悔やんで自分を責めている子に、なにを言っても始まらないとは思う。

接触はさこ×3。
調子悪い時は露骨に態度に出るさこらしく、だるそうで。
こう言う時にちょっとでもハッパかけるようなことを言うと、だいたい弱気な返事が返ってくるし、元気?調子悪いの?なんて聞くと、まず否定はしない。今回は字面だけは肯定はしていなかったけれど。
1部前に食べて、ツイッターのリプで送った味噌煮込みうどんの話になる。一番食べたいそうで。

久々に名古屋らしく、昼は前述、山本屋本店のきのこ味噌煮込みうどん。


夜は名古屋らしいのかどうなのか、名古屋発祥の赤から。東京でいくらでも食えるけどね。


浜松。
台風が近づく中で、さこも欠場で、はて、2部まで要るべきかと悩んだのだけれど、馬鹿だから結局2部までいて。
友人の車にて浜松へ。
なんかテンションも、僕含め車の中の5人中2人黄緑だったからか(もっとも運転手は寡黙に運転をしていただけだったのだけれど)、誰のセックスがどうだなどと、くだらない話ばかりしていて。

予めアナウンスされたのはさこの欠場だけだったのだけれど、みおも前日に腰を痛めて、一部出演。
その他、森は脚が完治せず(れりごー間奏では飛べないし)、ねぎも声ががらがらし、岩村は古傷の膝を気にし始め、早くも満身創痍の体。

この日はとにかく、さこのパート時に、その代わりで入った子に対して全力コール&ケチャする、遊びというか大真面目というか、さこ推しの仕事というか。
自分の推しの不出来をカバーしてくれている子に対する礼儀、そのつもりだった。

さこがいなけりゃ必然的に、自分の一番好みの動きをしてくれる子、つまり杏ちゃんばかり見るようになる。
特段の新たな発見はない。いつも通りの極上の柔らかさと、固めの動きが求められる曲では頼りなさと、即興の本能の舞と、全くいつも通り。
ただ、間違いなく気合は入っていた。それだけに、杏ちゃんの良さが生きる場面では、なかなかに凄まじい動きをしていたように思う。

不世出の天才ダンサーと、全体をコントロールする秀才ダンサーと。
ダンサーとして並ぶ実力はないとおもうけれど、それでも、互いの意識としては絶対に意識している、通じている、いや、そんなもんじゃない、仲なんだよね。
前に杏ちゃんが欠場した時には、「さこが杏奈の分まで踊るから大丈夫」なんて言っていたし。

で、杏ちゃんが一番、彷徨える黄緑推しにも優しかったんじゃないかなあ。
1部も2部もなんかMC中に、壇上から話振られて。
なんかね、勘違いかもしれないけど、気使ってもらってるように感じました。
他にもねえ、黄緑推しのさこの振り再現を見て、にやっと笑っていたりして。

まあ、でもね、足りないもんは足りないんだよ。
スピードが足りない、正確性が足りない、オンテンポな動きが足りない。
見慣れた動きをする奴がいない。
言っちゃアレだけど、正直、いかに奴が正確にきっちりとした動きしているか、改めて感じたよ。
もう少しまともに踊れよとも思うけど、もうこの仕事の詰め方じゃ、リハ以外までやってたら故障するんじゃないか、なんてことも思う。甘いかな。

サボってんじゃねえよとイライラする奴がいない。
んなもんおめぇの動きじゃねえよと毒づく奴がいない。
吠えようとしたその先に標的がいない。
腕を振り上げて必死に伸ばす、その先がいない。

空を撃っている感覚ですよね。
実際に、誰もいない空間に手を伸ばしたことも何度か。

で、最後に、聞きなれたドラムロール。
「I」。
さこパート、みんなで歌うんですわ。クルー、横一列になって。
ちょっとね、泣いた。

MC中、何度か「今は亡きさこ」なんていうワードが出てきて、だからってわけじゃないけど、天空に指、突きあげたね。
届けとかそんなんじゃないんだよね、ただ、やり場のなさだったんだよね、きっと。

握手はねぎ・杏×2、有紀美×1。
こういう時の有紀美は優しいと思ったから行ったら、案の定通り一遍の素晴らしい優しさ。
ねぎちゃんには私でへんなことばっか考えてんじゃねえ(意訳)と怒られ。

杏ちゃんはなんだろね、優しさなのか釣りなのか、とにかく、猫の気まぐれみたいな甘え具合。
後で考えてみるとストレートな釣りにも見えるのだけれど、まあ、こんな日の黄緑への、彼女なりの精一杯だったんじゃないかなあ。
ほんと、多謝。

帰りは台風でもうアカンかと思ったのだけれど、案外、新幹線も通常運行、しかも中はスカスカ。
クルーもパッセンもみんなおんなじ新幹線(そりゃあ車両は別ですが)、居酒屋東海道新幹線状態で仲良く帰ったのでした。

「俺は何を得たのだろう」
なんだろうな、ねぎちゃんがショートカットだったらどうだろうと妄想する時間…?
重たい壇上のねぎちゃんのパフォーマンス見ていて、その重さこそがいいんだろうけど、髪だけでも軽くしたらどうなるかなあ、なんて考えてはいたけれど。

まあ、岡山まで生きますよ。
明日また生きますよ。