WOWOW入っていながら、オンデマンドでたまにあるエキサイトマッチ先行生放送を見られないのももったいなかったので、登録作業をすませ今日の放送を見た。
WBOフェザー級王座決定戦のゲイリー・ラッセルjr.対ワシル・ロマチェンコ戦と、ウェルター級12回戦ロバート・ゲレーロ対亀海善寛戦。

ラッセル対ロマチェンコはとにかく元トップアマ同士のスピード対決になったわけだけれど、そんな展開ではロマチェンコのあだ名通りのハイテクぶりばかりが目について。…というほど一方的ではなかったけれど。
とにかく頭をよく動かして相手の狙いを外し、絶え間なく滑らかなステップ、サークリングでリズムを作って、決して急ぎ過ぎることはなくでも高速で相手を迎撃し、もしくは自分から攻めて行き。
攻防一体のボディワークがあまりに美しい。

残り10秒でそのラウンドは取っているなと判断するや、距離をとって流し始める冷静さというかアマチュアイズムというか、そんなものも含めて、いかにも五輪2大会連続金メダリスト、アマチュア通算成績約400勝1敗という実績が示す通りのトップアマで。
やはり前戦で戦ったオルランド・サリドのようにゴリゴリパワーで押して行く、強引かつダーティなやり方じゃないと、テクニック勝負なんてしてしまうととてもじゃないけど勝てないと思う。

亀海しゃんは頑張ったよねえ。本来の、中距離から多角度のパンチを打ち込んで行くスタイルを完全に捨てて、下の階級から上がってきたゲレーロとの体格差を生かして押しこんで行く戦法を取って、それがみごとにはまり。
ゲレーロの伸びるストレートを封じたところまではよかったけれど、超近距離ごにょごにょボクシングをしても、やっぱり4階級王者は巧くて強いわけで。

本人は31歳という年齢もあり、負けたらこれでおわりくらいの気持ちで臨んでいたのだろうから、試合後のインタビューでの意気消沈ぶり(「負けたので、何も残りません」云々)はわかるのだけれど。
自分自身に失望したのかもしれないね。
けれど、もう何試合かは呼んでもらえるんじゃないかな、とにかくアメリカ好みの、逃げずに打ち合うボクシングで、観客もスタンディングオベーションだったから。

前置きが長い。

・palet「VICTORY」リリースイベント@タワーレコード錦糸町店

朝から日本対コートジボワールだと言うので、新宿で仲間と見られる店を探し求め、結局白木屋で観戦後、暇だったので顔を出してみた。
店内に出来たステージで歌い踊るのを遠くから眺めていたけれど、向こうも店内、こっちも遠目でしかもやる気なし、得るものなし。
何度見ても、曲も何もぐさりと来るものがないのだから、まあ僕はお呼びじゃないんだろう。

新メンバー、ゆゆこと中野佑美嬢、確かに言われてみればかつての女子流のなかえさんに似ているような。

接触、個別握手、みゆっちょ×1、ゆいち×1。

昔の流し握手その他では、結構毒があってフランクに話せるような気がしていたみゆっちょが存外に丁寧で、今まだPASSPO☆さん行っているの?とか無難なお話に終始したのだけれど、終わって他の子の前を通る時にゆいちがいたずらにニヤリと見てきたので、毒を受けたくて行ってみた。

よう!うぃー!とわけのわからんお出迎え、まあそこから中身のないぞんざいなトーク。
口の悪さとフランク加減、早口さは相変わらず。

まあ行くなら気も楽だしこの人だろうなあ、と思ったけれど、そこから深い話をしようとも思わないし、また最低でも半年は空くだろうなあ、なんて思って、
(また気が向いたら来るわ、半年後な)
と伝えたら、
「えーそんなこと言って、最近来るじゃん」
だか何だか言われたけど、別に最近来てはいないし、ホントに中半年だろうな。

・東京女子流 4th JAPAN TOUR 2014 CONCERT*04 ~野音Again~ with 土方隆行バンド(bonsai.)@日比谷野外大音楽堂

あんまり長々書いても内容が薄くなる気もするので、2点に絞って書きたい。

女子流の楽曲にずっと参加している、ギターの土方さん。
そのお方が率いるバンドがバックに入ってのライブ。
無論、再現度があまりに高いのは当たり前なのだけれど、土方さんだけでなくバックの安定感が秀逸であり、もうその演奏で女子流の各曲が聞けるというだけでお腹いっぱい。

待望のアンリミは正調LAに続く形で聞けて、そこからはそれまでのあたたかなのどかな雰囲気から一変して踊るしかなかったし、アンコールでのKilling Me Softlyはアコギがとにかく一音一音立つようで、もう、感涙。

女子流はとにかく本人たちも周りの大人たちも、歌と踊りで作り上げるステージというものに対してとても真摯で、逃げずに真っ向から立ち向かって格闘して行く。
楽曲にも参加というか、一貫して後ろで引き続けている土方さんが弾いてくれるというのも、その真摯さのひとつだと思う。
とにかく、彼女たちの曲が好きで、それを聞きに来ているわけで、だからこそ同じメンバーでやってくれるのはありがたいわけで。

この点に触れないわけにはいかない。
小西彩乃、復活。
復活したのかはわからない。もっとかつては他のメンバーを圧倒する歌声を響かせていた気がした。ただ、それは他のメンバーが成長したのだろう。

LAを待つ必要もない。
最初から、ある違和感があった。
あぁちゃんの高音が出ていた。

東京女子流の歌姫、小西彩乃。
いつからだろう、傷つき汚れて、地べたを這いつくばりながら涙していたのは。

初期の曲は軒並み歌えなくなって、ソロパートをゆりに明け渡す日々が続いていた。
必死に出しては裏返る高音、それを聞くたびに心臓を細かな針で刺されるような、切ない、けれど逃げられない、そんな思いがして。
蘇ることはないのかな、半ばあきらめて、でも彼女の復活がないうちは女子流の物語は進まない気すらしていて。

LAは2つの意味でキーポイントだった。
1つは単純に僕の都合で、去年の武道館で聞けなかった、生バンド仕様のアンリミを聞けたという意味で、ぶち上がったという意味で。

1つは小西彩乃の復活を高らかに告げるという意味で。
サビのあぁちゃんソロが美しく響き渡った瞬間、東京女子流の第2幕が始まった。

こんなふうに偉そうに女子流なんて語れないんだけれどね、僕は大箱しか行かない悪いアスタライトだから。
でも、これからの赤鰤シリーズとか、行きたくなったよね、本当に。
音楽と真摯に向き合ってる東京女子流をもっともっと見たい。

そして、幸運を祈ってます。
こんな子たちが成功しなかったりするのがこの世の中だけれど、こんな子たちは成功してほしいじゃないか。