昨日は、1ヵ月ごとの定期検診の日。
私は、今まで定期健診が‘3ヵ月ごと‘になったのは1回だけであります。
そして、その時に2回目の転移が発覚しました。
今回は「ざきさんは、大変でしょうがずっと月一で検診しましょうね」と言われています。
「はい。私もそのほうが安心です。」
今回も異常なし。マカー値は「9」 ホッとしました。
時々病院で白衣姿の人々を眺めていると、自分が患者であることを忘れ、‘職場‘のように錯覚してしまうことがあります。
いったい年間延べ何日過ごしたら、こうなるのでしょうねぇ。
で、昨日は風の強さが半端でなく、外は砂埃が舞っているのでずっと病院の中にいました。
いつも売店の本屋さんに行きます。
店頭には「がんに負けない生き方」みたいなモノの本が、ずらっと置かれています。
こういう手の本、私は苦手です。
「アタシは、自分の考えで生きるから今更本を読んだって…」と思っているからです。
で、いつも絵本コーナーに行きます。
絵本、好きなんです。
私が生まれたころ『こどものとも』が発刊されたようで、私の記憶に<ぐりとぐら>とか<泣いた赤おに>等々があります。
幼いころは、今のようにたくさんの絵本があったわけではないので、何度も何度も読みました。
子供たちにも、山のように絵本を読んであげました。
このとき困ったのが、絵本の数が少なかったことです。
ですから、ここ何年か前から『おはなしチャイルド』を定期購読しております。
娘たちが、私の孫に読み聞かせをさせるように準備しているんです。
…という名目で、楽しんでいるんですが…
ここの本屋さん、時々掘り出し物があります。
昨日も見つけました。
新美南吉さんの『でんでんむしのかなしみ』です。
新美さんといえば『ごんぎつね』『てぶくろをかいに』しか覚えのない私でした。
何気に手に取り、ページをめくっていくと…
ずっしりと、心が揺さぶられました。
「へぇ~、こんな作品もあったんだ。」
「なんか、じーんと来るものを感じちゃったな~」
「えっ、大学生時代の作品?」
「きっと、いろいろな悲しみをたくさん、たくさん感じていたんだな…」
と、心の琴線に響いたのでした。
その場で買って、大切に持って帰ってきました(正確には、その足で実家に来たのですが)
寝る前に、また読み返し…読み返し…
久々に、深い感動の世界を感じました。
最近はなかったんです。こういう感動。
新美さんは、幼少時代から身体が弱い上に複雑な家庭環境で育ち、結核で30歳を迎えることなく亡くなったことは知っていました。
きっと、普段からいろいろなことに感性を研ぎ澄まし、思いを昇華させていったのではないでしょうか。
…私個人の感想です。
春のお彼岸が始まりました。
菊の花は避けて、黄色いガーベラとか、紫・ブルーのスイトピー、赤いミニバラなんかを買ってきました。
私が供えられる側だったら…いつも菊の花じゃね~。はっきり言って、嫌です。
なので、春らしい色の仏壇になりました。
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参考までに、『でんでんむしの悲しみ』のあらすじを・・・
ある日、でんでん虫は「自分の殻の中には『悲しみ』しか詰まっていない」ことにうっかり気付き、「もう生きていけない」と嘆く。そこで別のでんでん虫にその話をするが「私の殻も悲しみしか詰まっていない」と言い、また別のでんでん虫も同じ事を言った。そして最初のでんでん虫は「悲しみは誰でも持っている。自分の悲しみは自分で堪えていくしかない」と嘆くのをやめた。
どちらかというと、詩のような絵本です。