前回、審査受けて、認められてからお薬代の7割を受け取ることが出来る、と書きました。
では、どんな審査を受けるのかを紹介します。興味のある方は、青字部分をクリックしてください。
支払基金という民間法人がこの業務をしていますが、審査の決定は、北海道から沖縄県まで47都道府県の各支部に設置された審査委員会が行います。
最近は国保の場合、負担金100%という方がたまにいらっしゃいますので、気を付けないといけません。
国保で100%?
こういう方は、保険料の支払いが出来なかったので、たまっている保険料を支払ってから、市役所より直接払い戻しを受けるのです。
保険金の支払いだって、結構な金額ですよね。私も支払うたびに、ため息出ちゃいます・・・。
正しく調剤料を計算しているか、医薬品適正が適正に使われているかは、上記の審査委員の方が行います。
特に必要以上の加算点を取っていないか、厳しくチェックされます。
前回にも出てきましたように、複雑極まりない計算式です。
普段は特に問題は起きませんが「2種類A・Bのお薬をAを飲み終わってからBを飲んで治療する」などと言う場合、どちらも飲む時間が一緒だったりすると「これは2剤分にあたる」と解釈できるのです。
更に、Aは21日連続、Bは後半10日のみ服用なんてなると??
「1剤?2剤?」と解釈の仕方で合計に若干の差が出てきます。
私の解釈はこれは「2剤」と考え、レセプトを提出していました。
ところが、ある日ドサッと返戻が来たのです。
「何で~?!」
すぐに支払基金に電話をしました。
返答は「今までも何度かこのケースは問題になっていましたが、どちらの解釈も可能です。なので、点数が低くなる方を採用することになった、と聞いています」と事務の方。
「審査の先生とお話ししたいのですが…」
「来られる日が決まっていて、今の期間はしばらくいません。」
こうなると、私はガッツがむくむくと出てくる性質です。
「では、その上の方とお話がしたいのですが」
と切り出しました。その答え、傑作でした。
「えっ、上?上の方って何の事でしょう?」
「調剤点数を決める機関の事です。」
「・・・さあ?」
ドッカーン!
この時点で私の頭の中で、火山が火を噴きました。
私は、怒るとやたら丁寧な言葉になり、かなりの皮肉たっぷりの攻め方をします。(嫌ですね~。怖いですね~。こんなオバサンからクレーム受けたら、私ならサッサと降参しますよ)
これも、長年培ってきたお役所対決の歴史があるので出来る技です。
「そちらの業務は、どちらの認可を受けてされていますか?」
本当は知ってますよ。厚生労働大臣の認可を受けないと事業計画や収支予算が立てられないって!!
「えっ…、いや…その…」
「私が伺いたいのは、そちらで行っている業務の根拠は、どこが決めているか、という事です。ご存じないんですか?」
「はぁ…、そういわれましても…。私はただ事務をしているだけなので…」
おいおい、いくら民間の会社組織になっているたって、それも知らずにやっているんかい!!
億単位のお金を動かしているんだよ!!それも、国民の税金だよ、税金。
がっくりしながらも「この人を責めても話にならない。よし、厚生省だ。」
ネットで調べて早速電話。
事情を話すと「確認して折り返します」との事。
結論は、私の考えどおりでした。
意気揚々と、先ほどの支払基金に電話。
「厚生省で確認しました。私どもの請求で間違いないとの事です。」
事務の方は、うんざり声で「では、そのように先生方に伝えます…」
「では、うちの方ももう一度請求をかけさせていただきますのでよろしくお願いします」
ふん、当たり前じゃ。私の勝ち。
たかだか、1枚当たり15点くらいの差額ですが、今後ともそれが溜まれば結構な金額になります。
それに、理由が「どちらでも良いと思うが点数が低い方で」というのが癪に障る事でした。
この様な小さい事を、直接会って楊枝でほじくる様な質問を受けるのが、関東信越厚生局指導監査課からのお呼び出しなのです。
「指導の連絡ありましたよ」
と、8月5日頃連絡を受けました。
「はーい、私の出番ですね。お任せください」
大体何を聞かれるかはわかっていますので、突っ込まれないよう準備万端!
一緒に同行する方は「初めての経験でドキドキしてる、どうしよう」と言ってます。
「大丈夫ですよ。コツは‘何か言われたら、すみません。以後気を付けます‘としおらしく頭を下げる事と、ここは譲れないって時は‘私どもは・・・をしております‘って、毅然とすれば迫力で勝てますから」
ああ、私・・・。いつの間にこんな恐ろしいオバサンになってしまったんでしょう。
きっと、お役所のせいよ!お役所の。
と、責任転嫁して終わります。
あ、ひとつご報告。
昨日の腫瘍マーカーは「9」でした。貧血もなく
4時5分前に看護師さんが待合室で「Pの番号の方、手を挙げてください」と確認に来ました。
ザザッと手がたくさん上がりました。
「何番ですか?」と一人ひとりチェックしておられます。
遠くから「24番」とか「32番」とかすごい数字が聞こえてきます。
私は「3番です」と答えると、羨望のまなざしが向けられて・・・。
次の方は、ため息交じりに「47番です」と答えてました。
私は「本当に、この枠は50人くらい入れているんだ。これからも朝10時半には病院に来よう」
と、4時10分に診察室に入り帰ってきました。
(24.09.04 投稿)