とある作家さんのインタビューでタイトルが上がり、気になったので購入した作品。
日常の違和感から推理する短編集で、登場人物は全員高校生。
二人か三人のやり取りで完結し、世界線は同じなので、作中で名前が挙がった人物がほかの話に登場することもある。
個人的にはこういう小さい発見が好きだ。
壮大な話はなく、あくまでも日常の延長線上の謎解きだが、さらっと出てきた情報が伏線になっていて、読み進めると「あれそういうことだったのか」と気づく。
伏線回収が大好きなので、個人的にはかなり刺さった作品。
一番好きだったのは「メロンソーダ・ファクトリー」。
女子高生三人がさびれたファミレスで文化祭用のクラスTシャツについて話し合うという内容。
逆にもやもやしたのが「捨て猫と兄弟喧嘩」。
猫が好きで飼っている身としては、どうしても捨てる以外の方法があるだろうと思ってしまって、読後感が悪かった。
「夢の国には観覧車がない」は最後の先輩のお誘いが好き。
解説を読んで、あることに気づいて読み返したくなったので、解説もぜひ読んでみてほしい。
「三月四日、午後二時半の密室」は絶妙な気まずさがよかった。
全編を通して一番高校生らしかったかもしれない。
基本的に、謎の真相はそれほど重くない。どこまでいっても日常の範囲内。
ただ、表題作である「早朝始発の殺風景」はその中で唯一、少し殺伐とした内容だ。
あと、タイトルってそう意味かよと驚いた。
エピローグもよかった。