皇統は萬世一系である。これは紛れも無い歴史の事實である。

ところが小林よしのり氏をはじめ、「專門家」と云はれる人までもが「過去の女系繼承」と云ふ意味不明な言を吐いてゐる。

その「先例」とは、

一、斉明天皇から天智天皇への皇位繼承。（斉明天皇は女帝）

二、元明天皇から元正天皇への皇位繼承。（お二方とも女帝）

である。

一から考へる。下記の圖を參照頂きたい。

これを見ても「斉明天皇からの皇位繼承」を「女系」と云ふのであれば、それは「皇統」と「皇位」とを理解してゐない何よりの證據である。

男系・女系と云ふのは「血統」の話である。とすれば、ある　天皇からある　天皇へ　皇位がお移りになつた時に見るべきは、　皇位を承けた　天皇の男系（＝父系）が　皇統に属するか否かのみである。誰から　皇位を繼承したかは、極論を云へばあまり關係がない。

では天智天皇の父君はどなたか？舒明天皇である。その舒明天皇の父君はどなたか？これも皇統に属するお方で、押坂彦人大兄皇子（敏達天皇第一皇子）である。從つて　天智天皇は立派な、皇統に属する男系男子であり、これゆえに　皇位にご即位あそばされたのである。

「しかし、舒明天皇の父君は天皇ではないではないか」と云ふ人もゐよう。

ただ「皇統」と「皇位」とは違ふものであり、「皇統」は父子一系が原則であるので、父君が　天皇であらうとなからうと關係ない。つまり、よく「父の父の父のと遡れば神武天皇に辿り着く」と云ふがこれは血統の事（＝皇統）であり、皇位ではない。父の父のと遡つた所に「天皇」がいます譯ではない。

第二例目。

先程の原則を考へればもうお分かりになると思ふが、元明天皇の父君は天智天皇で　元明天皇は皇統に属する男系女子。元正天皇は天武天皇の　皇子である草壁皇子を父に持つ男系女子。從つて皇位が女性から女性に渡らうとも　皇統は男系である。

ちなみに皇統は父子一系を原則とするから、當然この「女子」は皇統に含まれず、結果的に「中繼ぎ」になる。

小林氏は女帝の業績を擧げて、「この樣な事業は中繼ぎと云ふものではない」と意味不明な事を云つてゐる。　皇統に於ける「中繼ぎ」を全く理解してゐない。

この「女系天皇」の不在は、　皇統の第一事たるもので斷固として護り抜くべきものである。これの原則は「女性天皇」の禁止である。保守派と云はれる人の中にも「女性天皇ならいい」と云ふ方が散見出來るが、無責任な放言である。何故なら過去の「女帝」は皆「不婚・不懐妊」と云ふ、女系の皇子・皇女ご懐妊の禁止を貫いているからである。つまり、もし「女性天皇なら・・・」と云ふのであれば、その女性天皇には不婚・不懐妊を強制しなければならない。無責任な放言とはこの事である。

舊皇室典範で　皇位繼承に當たつて第一條で「男系ノ男子」と定めてゐるのはかう云ふ理由による。

上記で「女帝は皆不婚を貫いた」と書いた。さうすると「さきほどの元明天皇は草壁皇子と結婚しているではないか」とか「持統天皇も～」と云ふ反應が來るのは目に見えてゐるので豫め云つておく。

「女帝」は「女帝」としてご結婚あそばされた譯ではない。例へば元明天皇は、まだ阿陪皇女であつた時分に草壁皇子とご結婚あそばされている。天皇の御位に就き給ふ前にご結婚あそばされ、草壁皇子が早く薨去あそばされたので、結果として天皇になり給ふたのである。それに草壁皇子は皇統に属する男系男子なので産まれたお子樣が「女系」と云ふ事はない。

先人等は苦勞して「男系」を守つて來た。

どうして我々がこれを變へる權利を持つてゐようか？

↓こちらも參考に。

日本保守党資料部　皇統とは

【お知らせ】

「皇室典範・宮家を皇室へお返しし隊」

お返ししよう典範・宮家！「典範奉還・宮家復帰」を、占領の超越・皇室との絆の修復の象徴に！

「不文」の男系天皇・男系宮家を仰ぐ国民運動、此処に始動。

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女性宮家反對 ～女系繼承の先例と云ふ謬説～

女性宮家反對　～女系繼承の先例と云ふ謬説～