お久しぶりです。最近読む将になってきたので、棋書レビューでもしてみようかと思います。

 

 さて、今回レビューするのは『最速で敵陣突破!角換わり早繰り銀』著:大石直嗣 です。この本の構成は 第一章:相早繰り銀 第二章:vs腰掛け銀 第三章:vs右玉 第四章:vs一手損角換わり 第五章:実戦譜で、そのあとに次の一手でおさらいをするという形です。

 

 率直な感想としては物足りないなという印象でした。特に第四章でそう感じます。一手損角換わり対策についての章なのですが、一手損側が右玉に組む手順しか載っていません。腰掛け銀に組まれる変化は取り上げられていません。これはかなり大きな問題ではないでしょうか。むしろ腰掛け銀の方が主流なのに、そっちを記載してくれないのは残念でした。

 

 第一章~第三章はそこまで問題ない印象です。強いて言うなら、記載されてる変化が全体的に少ない気がしました。力戦的な要素が強いため仕方ないかもしれませんが、気になる変化は自分で研究する必要があるでしょう。

 

 第五章実戦編と次の一手ですが、正直多すぎます。実戦編が54ページ、次の一手が40ページです。ここにこれほどページを割くならせめて第四章で、一手損側が腰掛け銀に組む変化ぐらいは載せてよかったのではないでしょうか?特に次の一手に40ページ割く必要があるでしょうか?ここは不満のあるとこです。

 

 結論としては、全体的に物足りないですが、他に早繰り銀の本もないので気になるなら買うのもありでしょう。一手損対策を気にしないのなら、決して悪い本ではないと思います。