「これは宮崎アニメではない
いや、今までの作品が宮崎アニメではなかったのか?」
今までの宮崎アニメのようなファンタジーではなく
実際の戦前の日本を舞台にした恋愛物語でした
監督の趣味趣向を強く感じます
主人公は監督自身が投影されており、庵野さんの声も野暮さを狙った演出です
関東大震災から始まり、不況、戦争…と物語のバックグラウンドで
日本は過酷な時代へと突入していきます
その中でブレることなく純粋に飛行機の設計技師になるために夢を追いかけた青年が
運命的に出会った闘病中の女性と恋に落ちていく、、
夢と愛をどストレートに描いた王道の青春ストーリーです
誰向けに作った映画なのか?
子供向けではないと様々なレビューサイトで評価されていますが
自分はやはり子供に見て欲しいと思い作られた映画だと思います
監督自身、アニメは子供が見るものと考えられているようで
手がける作品はすべてそのつもりで作られていると思います
男のロマンや仕事が中心に描かれているため
一見、男性向けに描かれた作品のように感じますが
それにしては戦闘シーンがほとんど出てこない
(すべての男性が戦闘シーンを期待して見にきているとは思いませんが、
戦争を題材にしている以上、期待して見にきている人が多いのは確かだと思います)
病気の女性と運命的な出会いを果たす恋愛物語かと思いきや
物語中の二人の決断、行動に疑問が残り、
女性が理想的に思い描くような甘い恋愛物語とも言い切れません
自分は説明過多になりすぎないこういう描き方は好きですが
いわゆる万人受けするエンターテイメントとは程遠い内容になっています
この物語はある意味ファンタジー(幻想)で
主人公のロマンチックな夢、ヒロインとのドラマチックな恋愛と
理想的な青春が描かれています
ただ、主人公とヒロインの二人は極めて現実的な生き方を選んで行きます
幸せとは何か?
二人は幸せに対する価値観を確かめ合いながら
夢を共有していきます
決して表面的ではないですが、この二人の強い意思が伺えます
あえてこのような描き方をしたのは
子供に対する敬意の現れだと感じます
前記したとおり当然、子供の目も意識して作られているはずです
子供だからと言って可愛いキャラクターやファンタジーだけを見せるのは違う
説明過多の親切すぎる世の中だけど
物語を通して自分自身の生き方、幸せの本質を感じ取って欲しい
という監督の強い気持ちを感じます
子供の時に分からなかったら
大人になってからもう一度見ればいい
夢を諦め、現実社会に揉まれ、思うような恋愛もできない
そんな時もう一度見返すと本当の意味がわかるのではないかと感じます