天然ウナギ:卵の採集に初成功 | NPO法人生涯青春の会

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天然ウナギ:卵の採集に初成功 グアム島西沖…東京大など

http://mainichi.jp/select/today/news/20110202k0000m040141000c.html

天然ウナギ:卵の採集に初成功 グアム島西沖…東京大など

http://mainichi.jp/select/today/news/20110202k0000m040141000c.html

【特集】ウナギ大好き、日本/4止 絶滅のおそれ?

http://mainichi.jp/select/wadai/wakaru/others/archive/news/2010/20100721org00m040007000c.html

天然ウナギ:卵の採集に初成功 グアム島西沖…東京大など

http://mainichi.jp/select/today/news/20110202k0000m040141000c.html

201122 11分 更新:22 110

 東京大大気海洋研究所と独立行政法人水産総合研究センターの研究チームが、天然のニホンウナギの卵を採集することに初めて成功した。場所は、日本の南約2200キロのグアム島西側にある西マリアナ海嶺(かいれい)付近。亜種も含め19種いる天然ウナギでは初の快挙で、産卵の時期と位置も特定し、謎の多かったウナギの生態解明が一気に進みそうだ。養殖用稚魚の大量生産技術の開発や、激減したウナギ資源の保全・管理につながると期待される。1日付英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に掲載された。

 温帯のウナギは川や湖で成長した後、数千キロ移動して外洋で産卵するが、回遊ルートや厳密な産卵場所は不明だった。

 東京大のチームは、91年までに採集したウナギの仔魚(しぎょ)=ふ化直後で稚魚の前段階=の採集記録や誕生後の日数を、海流や海底地形とともに解析。産卵は各月の新月の数日前、同海嶺の海底にそびえる海山が連なる領域で、一斉に起こるとの仮説を立てた。

 05年にはふ化後2日目の仔魚を採集、さらに08年には同研究センターが産卵後の親ウナギを初めて捕獲し、仮説をほぼ裏付けた。

 08年から共同で研究航海を始め、新月2日前の09年5月22日未明、直径約1.6ミリの卵31個を採集した。遺伝子解析でニホンウナギの卵であることを確認したほか、付近で産卵直後の親ウナギも捕獲した。

 採集場所は、水深が3000~4000メートルあり、異なる二つの海水がぶつかって塩分濃度が変化する約10キロ四方とごく狭い海域。卵は水深200メートル前後にあったとみられる。チームの塚本勝巳・東京大教授は「卵がふ化するまでの日数はわずか1.5日。採集できたのは幸運だった」と話す。【須田桃子】




天然ウナギ:「その卵だけ虹色に光っていた」 謎追い続け

http://mainichi.jp/select/today/news/20110202k0000m040145000c.html

201122 12分 更新:22 718


世界で初めて天然ウナギの卵の採集に成功し、会見で説明する東京大大気海洋研究所の塚本勝巳教授=東京都文京区の東京大で、梅田麻衣子撮影

 「怪しい卵があるので来てください」。09年5月22日午前6時半、学術研究船「白鳳丸」で個室にいた塚本勝巳・東京大教授(62)は、緊張した思いで実験室に向かった。午前5時に引き揚げた採集物から、初めてウナギの卵らしきものが見付かった。円窓から差し込んだ光を受けて、「その卵だけが虹色に光っていた」。30年以上探し求めていた天然ウナギの卵だった。

 東京大農学部水産学科を卒業後、同大海洋研究所(当時)に入った。海の生物の回遊行動に興味があり、ウミガメなどを研究した。中でも、日本人に身近なのに天然の卵も産卵中の親も見つからず、「謎が深くて手ごわい」ウナギに魅せられた。

 日本で本格的なウナギ産卵場調査が始まった73年から、ほぼすべての研究航海に参加してきた。当初は謎が多いだけに「当てずっぽう」の要素が強かった航海に、海域を区切って調査し、海流などを分析して産卵の場所と時期の仮説を立てる実験的な手法を取り入れた。より小さい赤ちゃんウナギ(仔魚=しぎょ)を追い求め、91年にマリアナ諸島西方沖で、10ミリ前後の仔魚の採集に成功した。

 しかし、その後14年間、成果のない苦しい時期が続いた。1回の航海は、燃料代だけで数千万円を要する。「科学ではなく、ばくち打ち」との批判もささやかれた。右腕だった青山潤・東京大特任准教授(43)が研究中止を進言した時、塚本さんは「批判があるのは当然。でも続けようよ」。その裏には「産卵場を知りたい」という科学者としての好奇心と、「先輩の研究を引き継ぎ、一度旗振り役になったからには、最後までやり遂げるのが責任」という強い思いがあった。

 卵の採集は「すごろくで言えば上がり」(塚本さん)。だが、研究は終わりではない。オスとメスがどのように出合うのか。なぜ新月間近に産卵するのか--。新たな疑問が山積している。「次は産卵シーンを撮影したい」。塚本さんは仲間とともに5月、再び研究航海に乗り出す。【須田桃子】