政府の中央防災会議は21日、東海、東南海、南海地震が同時に発生した場合について、都府県別の被害想定を公表した。死者数は最も多い静岡県が8100人で、愛知、三重、和歌山、徳島、高知の5県も1000人を超える。同会議はこの想定を踏まえ、今年の防災の日(9月1日)の訓練では、初めて3地震が連動して起きた場合を想定して実施することを決めた。
03年に中央防災会議の専門委員会が算出したデータの詳細を公表した。午前5時に風速15メートルの条件下で地震が発生したとの想定。建物被害も静岡県が最多で、揺れや津波、火災などで全壊棟数は23万棟に達するとした。
中井洽防災担当相は記者会見で「3地震が連動して起きた時の態勢は作られていない。大きく想定した方がいざという時に安心できると考え、3地震連動の訓練とした」と話した。【飯田和樹】
東海、東南海、南海地震が同時に発生した場合の都府県別被害想定
死者数 全壊棟数
千葉 - 60
東京 - 40
神奈川 10 600
福井 - 30
山梨 200 5100
長野 100 3700
岐阜 30 3900
静岡 8100 230000
愛知 1900 91000
三重 2600 51000
滋賀 10 1200
京都 10 1200
大阪 50 13000
兵庫 100 6100
奈良 10 1400
和歌山 4600 48000
岡山 50 5900
広島 30 4000
山口 10 500
徳島 1300 15000
香川 - 1700
愛媛 200 4600
高知 4900 55000
福岡 - 20
熊本 - 30
大分 30 1200
宮崎 500 3000
計 25000 550000
※午前5時発生、風速15メートルの条件で想定
※全壊棟数には焼失棟数も含む
※各都府県の数字は概数のため合計と合わない
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毎日新聞 2010年4月21日 21時30分