
ノルウェー発。伝説の巨人トロールを狩るハンターの実体に迫るドキュメンタリー映像を編集、映画として一般公開した…という体のダークファンタジー。
ちなみに本作、日本トロール保安機関推薦映画作品だそうだが、当然そんな組織は実在しないので悪しからず。
さておき。
某「パラノーマル・アクティビティ」の登場から、この手の擬似ドキュメンタリー映画が急増したような印象を受けるが、いいかげんユーザーもバカではないので、あんなデカい化け物が山奥ないし森の中をウロウロしていたら、いくらノルウェー政府が極秘扱いしようと見つからないわけはなく、まして科学の発達したこのご時勢、目撃者がいれば即座に写メ撮られてツイッターにバシバシ投稿されてなければおかしい事ぐらい、気がつかないはずはない。
それでも、トロールの生態や狩猟目的等、ムダに説得力のある設定を持たせ、一瞬でも「ホンマにいてもおかしくないかも?」と思わせるところまで引っ張り上げた点は、評価に値する。
が、例によって明らかにシナリオに沿っていると分かる出演者の動き、またはセリフにより、せっかくのリアリティが一気に殺がれる場面が多々見受けられたのは、非常に惜しい。ネタバレになるが、作中、インタビュアーが感染する病気など、普通なら名前を聞いただけで発狂するレベルのモノなのにも関わらず、冷静にヘラヘラ笑いながら「オイ、冗談だろ?」なんて言えるものかよ。
また、取材スタッフの同行しているカメラマンが、自分が乗っているはずの車が走り去っていくシーンを撮影できていたりと、おかしな点があまりにも多く、極め付きはエンドロールにデカデカと登場する「VFXsupervisor」のテロップ。
確かに、参加したスタッフの名前はエンドロールに掲載するのが当たり前なのは分かる。とはいえ、ただでさえ「キャスティング」だの「監督」だの見た瞬間に興ざめ必至なのに、アレでは自ら嘘っぱちだと言い切っているようなモンではないか。
小生は何も、あのキモい巨人の群れが実在するとか、妖精の存在を信じているとか、そんな話しをしているのではない。同じ嘘をつくなら、徹底してつき通してほしいのである。作り物である事は百も承知だが、騙すなら最後の最後まで相手を騙し尽くす、観る側も了解した上で騙されてあげる、それがエンターテイメントのマナーというモノではないだろうか。
もっとも、そんなご大層な御託より何より、ストーリーそのものがあんまり面白くないというのが、最大のマイナスポイントである事には変わりないが(笑)。
結局、これで何が言いたかったのか、どうしたかったのかもよく分からないし、そもそも何故ノルウェー政府がトロールの存在を隠しているのかも、いまいち納得できなかったで、何とも残尿感の残る形に。
それから、この手の映画にとってもはや「あるあるネタ」に近いが、ハンディカメラによる撮影は臨場感が出る分、とにかく視点が安定しないので観ていて酔いそうになる。もう21世紀になって11年も経つのだから、新しい撮影方法、もしくは機材の開発を早急にお願いしたいところ。
総じて。こういう映画が好きな人…が、世界中にどれだけいるかは存じ上げないが、それ以外の人には少々キツく、何が面白いのか理解できない場合も少なくないと察する作品。
2013年にはハリウッドリメイクが決定しているそうだが、そろそろこのジャンルも飽和状態になってきた観もあるので、よほど上手くやらないとまた大失敗しそうな予感…。
大体、アメリカにトロールなんているのか?移民船に乗ってやってきたとか?いやバレるだろ(笑)。
そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、
☆☆☆★★-
これなら「大日本人」の方が良い出来。星3つマイナス
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