朝露 `朝露` 彼女にとって、この熊(私)の存在は、存在していたのだろうか? 目には視えていなくても、会話がなされていなくても、その存在に対する空気だけは、読み取れていたかもしれない。 あるいは、彼女が、寂しくなった時は、誰に話してよいかわからない漠然とした疑問や、不安をその空気に問いかけていたかもしれない。 熊の存在が、鹿にみえていたかもしれないし、時には、狼になり、道しるべとなっていたかもしれない。 熊だけが知っている、彼女の秘密。隠れ場所。彼女の笑顔。