今年夏に開催した相生線廃線30年写真展を終えて朝日新聞社北見支局、北海道新聞社北見支社に持ち込んだ原稿を紹介します。

私たち津別の有志は、8月8日からの2日間を相生鉄道公園で、11日からの6日間を津別町中央公民館内で北見相生線廃線30年写真展を無事終えました。近隣の方々には当時を懐かしんでいただき、道内の鉄道愛好家には国鉄遺産に触れていただき、国内外からの旅行者には歴史を学んでいただけました。
このような企画をまた続けて欲しいとか、津別の鉄道記録を綴った写真集を出版して欲しいなどのご意見もいただき、今後津別町に対して働きかけをして行こうと考えています。
現在は知事や道内選出国会議員、道議会議員などが北海道新幹線札幌延伸の声を上げています。一方道南の江差線は木古内以西の一部区間が廃止。道央の日高本線は不通が続き、JR北海道は単独での復旧を断念。道北の留萌本線も利用客の少ない留萌以西は来年度中の廃止が伝えられています。
オホーツク管内は、石北本線で上白滝、旧白滝、下白滝、金華の各駅が廃止。留辺蘂、美幌の各駅が無人化というニュースがありました。当面は存続するでしょうけど、釧網本線とも近い将来廃止が検討されることが考えられます。
かつて石北、釧網本線でDMV試験走行というニュースもありました。DMVは鉄道と道路の双方を走ることのできる車両で、これを導入できれば日高、留萌本線は低コストで公共交通機関が維持でき石北、釧網本線もかつての廃止路線方面へ直通、女満別空港から阿寒や知床への観光にも繋がるでしょう。
馬車鉄道が起源ですし、列車でなくてもDMVが鉄道を走れます。豪雪時でも道路より安い除雪経費で公共交通機関の運行が保てるなら、発展的に第三セクター化し、国の助成を受けて北海道が鉄道を管理する必要もあるでしょう。
駅舎やレール、踏切を撤去するのはたやすいでしょうけど、将来どれだけの北海道民が飛行機ではなく新幹線で東京へ向かうのかを考えれば、いま赤字であるにせよ地方の公共交通機関を撤収するのは気が早過ぎはしませんか?

平成27年8月17日
北見相生線と津別の歴史まちづくりの会
石田哲也