以前にこのブログで少し触れたフィロソフィーのダンス
曲はどれもいい曲ばかりなのだが、今回取り上げるのは「ダンス・ファウンダー」
曲は宮野弦士
自身による解説も公開されている
リンク先のYoutubeの動画のコメントにも頻出しているが、筆者もDa-iCEの工藤大輝氏がラジオで激推ししていたたことがきっかけでこのグループに注目するようになった
曲は70年代のフィラデルフィア・サウンドとよばれるストリングスを多用して洗練されたブラックミュージックを80年代以降に白人のアーティストが中心になってリバイバルした頃の曲という感じ
作者の宮野氏も明確に言っているがナイル・ロジャースのCHICというグループの楽曲に多大な影響を受けている
この曲がさらにそこで終わっていないのは、この間関ジャムでゲストのヒャダイン氏がアイドルソングの王道ということで解説していた
BメロのPPPH (知らない人は検索かけてね)のようなもの
これがちゃんと入っていること
これによってアイドル曲として完璧に完成している
この点では同じアルバムに収録されている「はじめまして未来」でもっと完全なかたちで実現されているのでそちらもよろしく
イントロのベースとドラムの「ドーン、ドーン、ドーン、ドドンドーン」というビートから一気に引き込まれる
ギターのカッティングもそれっぽいし、ベースは常時スラップ奏法で16ビートを刻み続ける
イントロ後半は前述のフィラデルフィアっぽいストリングスとハミングのコーラスが入ってまさに70年代
Aメロ1はソロでも活動している奥津マリリのリードボーカルで抑えめの感じで導入部から次のパートへ
この部分のラストのメロディーが何だか知らないが奥津さんに非常にあっていてちょっとキュンとする
この人のこのグループでの歌唱法はソロの時と全く違っていて(まあ、曲調が全く違うので)いくぶん日向さんの歌唱法に引っ張られているような気がする
Aメロ2はこのグループのボーカルを常に牽引している日向ハルのソウルフルなボーカルにチェンジ
ちっちゃい体のどこから来るのかと思うような太い声はやはりほかのアイドルグループにはいない稀有な存在だろう
ただ、筆者としてはちょっとだけ言いたいことはあるのだが、それば後ほど
Bメロは日向さんとは正反対のアニメ声の十束おとはによる、ある意味この曲の中で最も重要なパート
危なっかしさ全開なのだが不思議と嫌な感じはしない
ここがこの人の最もすぐれた部分かもしれないが
コールは"D" "F" "P"
そして、キモはサビ前のストリングスの4拍
この部分があるのと無いのでは全く違う
これがあることによってサビへの期待感が半端なくあげられてしまう
構成がうまい部分
サビは日向さんのシャウト全開で終了する
2コーラス目に移ると
Aメロ1は1コーラス目と同様な感じで奥津さん
そしてAメロ2ははここで満を持して登場の佐藤まりあ
個性的な4人があつまったグループではあるがこの人が最もアイドルらしくて嫌みのない気持ちがいいボーカルが取れる人だと思う
ライブではちょっとだけシャウトもする
Bメロは安定の十束さん
1コーラス目の最後の「衝動」が「おー」で伸ばすのに対して
2コーラス目の最後の「ボーダー」が「あー」になるのでより力が入りやすくて次のサビへのつなぎとしてより明確な打ち出しになっている
実際、ライブではこの部分であのアニメ声でシャウトしているので一度確認していただきたい
ここも構成と歌詞の選び方が非常にうまいところ
サビは1コーラス同様に奥津さんと日向さん
さて、ここから怒涛のたたみかけに入る
ブレイクでの奥津さん、そして奥津さんのボーカルのお尻からフィルしてくる日向さん
最後は「イェー」でシャウト
ここはアルバムバージョンには入っていない
このシャウトに関して楽曲を本人たちが解説している動画の中で奥津さんが好きだと言っている
やっぱり日向さんに引っ張られてたんだ
最後のサビは全員で熱唱
1コーラス目と2コーラス目では一人で歌っていた部分を
十束さん->佐藤さん->奥津さん->佐藤さん->日向さん
と細かく分割してゆく
ここでグループとしての一体感を十分に感じさせて終了する
というようにこの曲の魅力は尽きないのだが
最後に老婆心ながら
日向さんの歌唱は確かに他には見られないパワフルでソウルフルなもので、本人ももっと黒人ぽくなりたいと言っているのだが
筆者としては「しゃくり」が多すぎることが気になる 意味としては歌のつなぎ目の部分などですこし下の音から入ってすぐに上昇するような歌い方、一番わかりやすいのはL'Arc an Cielのhyde氏の歌い方と言えばわかりやすいだろう
昨今、カラオケの自動採点機で歌がうまい基準として「こぶし」や「抑揚」に加えて「しゃくり」が基準になっていたりするので勘違いをする人が多いのだが、「しゃくり」の多さは耳につくし、ちょっと安易な感じがする
日向さんは十分に歌がうまいのだから「しゃくり」を多用しないで「ビブラート」にすればもっと落ち着いて聞けるのだけど
また、前述のように奥津さんの歌唱法が日向さんに引っ張られていて、あんまり似合わない「しゃくり」や「シャウト」が目立つ気がする
あとは、佐藤さんのボーカルはもっとフィーチャーしてもよいのではないか
以上、長文になってしまったが筆者が最近毎日聞いている曲の解説でした