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八重山の釣りと自然たまに猫

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森の中の家に住んでいた頃の話し。
その家の主が住んでいた頃から可愛がっていた外猫達の世話を引き継いで毎晩屋敷の裏で餌を与えていた。餌入れの一斗缶の蓋の上にキャットフードを山盛りにばら撒くとワッと猫達が集まって来る。そしてすぐに今度は暗い森の奥の方からガサガサ、バキバキと枯葉と枯れ木を掻き分けこちらに向かう音が近づいて来る。キャットフードの匂いを嗅ぎつけて森の奥深くからヤシガニがやって来るのだ。
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猫とヤシガニでキャットフードの争奪戦が始まる。猫がいくら威嚇したり引っ掻いたり噛み付いたりしてもヤシガニは硬い殻に守られビクともしない。逆にヤシガニは猛ダッシュで走って猫を追い回したり、大きな両手のハサミをブルトーザーみたいにして猫を押しのけ跳ね飛ばしてキャットフードを独占する。そしてハサミの先っぽで器用にキャットフードを一個ずつつまんで口に運びパリポリと音を立てて食べる。
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一匹のヤシガニが食事を終えて森に帰って行くとまた別のヤシガニがすれ違いでやって来る。次々と入れ替わりで沢山のヤシガニがやって来る。中には優しい温和なヤシガニもいて猫達と並んで仲良く一緒に食べたりする平和主義者もいる。出遅れて食べそびれた奴などは深夜遅くに明かりの点いてる部屋の窓の網戸によじ登りカーテン越しに窓ガラスをコンコン、コンコンと人間みたいにノックして餌を要求したりする。そこに住み始めた最初の頃は夜中にこんな森の中へ誰が訪ねて来たんだろうと思ってとてもびっくりした。