・はじめにコトバあり
物質発生以前の宇宙と言うものを考えてみると、其処にはもちろん「物質」なるものは存在しなかったのである。
そこには、霊がまだ物質的なものと見える如き波動は起こしていなかったのである。即ち真空だったのである。
併しそれはただのカラッポではなく、不生の大生命が確固厳然として存在していたのである。
不生の大生命が動き出したのが所謂コトバである。
これが「初めにコトバあり、コトバは神と偕にあり、コトバは神なりき」
と新約聖書のヨハネ伝に書かれている処の真理である。
ただしこの言葉と言うのは、まだ物質発生以前の「はじめの言葉」であるから、
物質発生器官を通して現れて来たコトバではないのである。
発生器官に現れる以前のコトバ、即ち想念であったのである。
即ち真空と見えている不生の生命が想念によって動的に動き出して波動を起こしたのである。
これが「神の心動き出でてコトバとなれば、一切の現象展開して万物成る」である。