・人生を闘いと思うべからず
生活と闘っていると言うような人生観を持ってはならない。
闘いというものは常に勝敗を予想しているものであるから、
つねに警戒し常に恐れ、常にいらいらしていなければならない。
その様な気持ちでは、真の平和も幸福も来たらないのである。
或る西洋の光明思想家の詩に「われは戦いをたたかえるに非ず、われは我が歌を歌うなり」と言う句があるが、
そのような気持ちこそ、本当の人間の生活なのである。
「法華経」の「自我偈」には実相世界の状態を描いて
「諸天、天鼓を打ち…衆生の遊楽するところなり」と書かれているのである。
其処に刻苦闘争の姿などは少しも暗示されていないのである。
ただ自分の好む歌をうたうように、ただ楽々と、
与えられた天地に与えられた使命を実践しておれば一切の善きものが整う如き有様が描かれているのである。