人生を幸福にする愛と智慧ーー何故、贅沢な老人ホームに住む老人が自殺するのか
共産主義は唯物論から生まれた知恵である。だから共産主義は、
人間の幸福は物質の分配如何によって決定せられると説いて
物質の生産手段や生産物質を国有として社会福祉制度によって物質の分配を公平に行えば、
人間は幸福になると考えるのである。
此の思想は資本主義または自由主義の世界に於いても
その一部が社会保障制度として採用さられているのである。
そして社会制度によって、最も裕な設備と饗応とに恵まれているという
スエーデンやデンマークの老人ホームに住む老人が世界で最も自殺率が高いということである。
それは唯物論によって楽園から追放されている人間が考えた 「人間幸福法」 であるから、
どんなに裕かな贅沢な施設を唯物論が与えてくれても人間は幸福になりきれないで自殺するのである。
このことをイエスは 「人はパンのみにて生きくるに非ず、神の口より出ずる言葉による」
と喝破しているのである。
この場合パンとは単に植物だけではなく、すべての物質的供給のシンボルである。
どんなに物質的供給が裕かであっても、神の口より出ずる言葉ーー即ち、
愛 がなければ生き甲斐が感じられないのである。所詮、人間は物質的産物ではないからである。