人生を幸福にする愛と智慧ーー蛇の知恵にだまされて

 

 「迷いはヒョッコリあらわれて、そしてヒョッコリ消えて悟りの青空を見る」 と言うが、

 

「何故、無いものが ヒョッコリあらわれるのか」 と言う疑問が残るのである。

 

 創世記の第二章に於いて、アダムは蛇のさかしき知恵に騙されて

 

 「善悪を知る知恵の樹の実」 を食べたとあるのである。蛇のさかしき知恵とは何であろうか。

 

蛇は全身を地に伏してホソクして歩むのである。地は 物質の象徴 である。

 

 「全身を地に伏す」 とは、自己の全存在を 地 なるもの 物質 なるもの 肉体 なるものと認めて、

 

人生の行路を、天に向かわず地に匍匐して歩むと言う意味である。即ち唯物論の知恵を食したということである。

 

そしてアダムとイブとは唯物論の知恵を食した結果、

 

善悪を分別して相争うことになり、神から楽園を追放されることになったと創世記第三章は説くのである。