お釈迦様の悟り  その3

 人間を物質と観る限り、生老病死の苦厄から逃れられない。しかし、人間を物質では無く、生命の面か

ら観ると佛の生命がここに生きている。一切のものを観るに「有情非情同時成道」情有るもの、情なきも

の皆今既に佛の生命である。

 一切「物質」という観念を抹殺した時、「人間、神の子、今、此処、極楽浄土」の世界が出てきたので

す。人間を肉体だと言う観念を十字架に着けて抹殺した時、本当の生命が復活したのです。肉体、物質を

十字架に付けて抹殺することによって、「ただ佛のみ実在、神のみ実在である。自分の生きている生命は

仏の生命である、神の生命であると再認識させたのです。

 この生命の復活的自覚によって人間の本来の自由自在をも復活し、「天上天下唯我独尊」の自覚を得、

キリストに於いては、我神の子の自覚、(最早、我生きるに非ず、キリスト我に有りて生きるなり)を得

る事に依って、現象界に於いては肉体は健康に、社会全般の事業は自由自在を得るのです。


 般若心経の「五蘊皆空と照見し、一切の苦厄を度す。」

 肉体は無い、物質は無い、無い、無い、無い。有るように現れている影のようなものだ。

 有るのは、実相のみだ。仏の生命のみだ。神の生命のみだ。