お釈迦様の悟り  その2

 悟りを開かれた時、世界の観える姿が変わったのです。物質の面から霊の面へ、形の世界から内容の世

界へ、残忍の世界から愛の世界へ、殺し合いの世界から慈悲の世界へと。

 すると菩提樹下に作草花も木々も私を喜ばさんが為に咲いている。なんて有り難いのかと。ミルクを差

し出してくれたのも仏の慈悲が私を生かさずにおかないために差し回しになった慈悲の手である。この自

分の命、それは自分が生きているのではなく「生かされたいる」ものである。いいかえると佛の命が自分

に於いて生きているのである。物質の肉体が生きているのではなく、佛の命が今ここに生きている、そし

て、いたる処に生きているのだ、山川草木国土悉く佛の命が今此処に生きているのだ、皆一体だと

悟られた。観の転換をされたのです。観られる肉体も一切の事物も悉く佛の命の示現であると。