お釈迦様の悟りとは  その1

 あの美人も病気になって苦しんだり、皺くちゃになって見苦しくなって老いてしまったり、死んでウジ

虫がたかって、やがて骸骨になっていく、何の為にそんないやらしい物に執着し、愛着し、嫉妬し、悩む

のであろうか?

 何のために生まれて来たのか? 人生の目的は?人間の本質は? 

 バラモンの仙人について学ぶも悟ることが出来ず、ウルビルワーの山中で6年座禅を組んだが悟ること

が出来ず、山を出て、菩提樹下で瞑想に耽っていると、村娘が一杯のミルクを差し出してきた。その時、

この世は奪い合いの世界では無く、生かし合いの世界だと悟った。

 今まですべての存在を物質であると観、物質のミルクを牛から奪い取って来て、それを食べているのだ

から、生物の世界は奪い合いの世界だと思っていたが、そうじゃなく、ミルク、これは物質では無く、乙

女の愛がここにこうして形に顕れたものである。佛の慈悲がミルクと言う形で現れた生かし合いの世界で

あると悟られた。

 今までは、この世は、殺し合いの世界だと観ていたのは間違いであった。殺し合いの世界と観ていたの

は、事物の表面的な物質面を観ていたからだ。物質面の奥には、お互いを生かそうとする命が、佛の命が

至るところに満ち満ちている事に気づかれた。