般若心経  その4

是故空中 無色無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 

 是故空中…この故に空の中には

 無色無受想行識…

  全てのものが空であるから色(物質)は無い、受想行識も無い。

 無眼耳鼻舌身意…
 
  更には眼や鼻もあるように見えていても無い。皮膚の感覚や内臓の感覚の本体になるもの、そ     んなものは無い。そして意(心)、わしがと思う心も無い。

 無色声香味触法…

  更には、眼で見る色の感覚も耳で感じる声も鼻で感じる香りも舌で感じる味わいも身で感じる感触も  意識の対象となる法(物質宇宙の一切の存在)も本来無い。


無眼界 乃至無意識界 無無明 亦無無明盡 乃至無老死 亦無老死盡無苦集滅道

 無眼界 乃至無意識界 

  眼で見る世界も意識で感じる存在も、そんなものは悉く皆無である。

 無無明 亦無無明盡…

  無明も無ければ、無明の尽きると言う事も無い。

 乃至無老死 亦無老死盡

  老いて死することも無ければ、老いて死することも無くなると言う事も無い。

 無苦集滅道…

  苦集滅道・・仏教では四諦と言われるもの。(この現象世界は、12因縁がいろいろと集まってきて  苦しみが生まれている。そこで苦しみの因と縁を悉く滅して道(悟り)を得て仏となる)現象世界も  無い。

  この世界は、現象世界は苦しみのように見えているが、それはあたかもスクリーンに写っている影で  あるから、そんなものは実在していないのである。