有る児童の母親から電話が掛かってきました。「息子が通知表をもらって帰ってきました。

 

先生が通知表を渡される時、「君なら出来る」と言われたと、とても喜んでいます。」と言うお礼の言葉でした。

 

 この児童は成績が少し下がっていたので、私はポンと肩を叩き「君なら出来る」と言って通知表を渡したのです。

 

自然に出た言葉だったのですが、子供はこれが嬉しく、母親に伝えたのでしょう。子供は誰しも大なり小なり劣等感を持っています。

 

これに追い打ちをかけ成績が下がると自尊心が下がりっぱなし。

 

教育は「いかに劣等感を跳ね返し、前向きな気持ちにさせるかにある」と言っても過言ではないのです。

 

 この劣等感を克服させる方法の一つが「言葉の力」です。子供が自信を失いかけている時、

 

周囲の大人達の力強い言葉かけによって「劣っていない自分」つまり「自分はやればできるんだ」と言う気持ちにさせ、

 

「出来ない」と言う自縛から解放させてやる必要があるのです。

 

 「君なら出来る」この言葉は「君の力を認めている」「大丈夫」「今はできなくても必ず出来るようになる」と言う

 

意味を込めた絶対的信頼の言葉です。勿論ここで言う言葉とは、その時の「態度」「表情」「雰囲気」等も含まれています。

 

どんな子に対しても、心に響く言葉、それが「君なら出来る」です。

 

 ご家庭に於いて是非この言葉でお子様の自尊心を高めて下さい。     新教育者連盟ー「生命の教育誌」より