人と人との和を破るもの嫉妬心より甚だしきものはない。嫉妬の心は独占欲より起こるのである。

 

独占の心は利己主義、個人主義より起こる。独占欲有るところ、排斥心を生じ、物の本当の姿が見えなくなってくる。

 

太陽は只照っているだけであって、何物をも独占しようとはしない。

 

しかし太陽に照らされていても、嫉妬心のある者は自分の妻が、子供が太陽から奪われはしないかと恐れ、彼らを影に連れ込む。

 

そこから家庭の暗黒が生ずる。嫉妬による排斥は自己を貧しくし、自己を弱体化するのである。

 

頼朝は、義経の英邁なるを嫉妬し、それを排斥して、自己自身の手足を絶つようなことをしたから源氏は滅びたのである。