「よい子」の悲劇
図書館で借りた本です。
何でこの本を手に取ったかと言うと、娘のことをとってもお利口ちゃんだと思っているから(笑)
「よい子」の悲劇って何だろう?
子育ての参考になるかな?
そんな単純な動機で読み始めました。
実際読み進めてみると、娘のことより自分自身のことをすごく考えました。
私自身、すごく「よい子」だったと思います。
親のいいつけは守るし、親に反抗はしないし、夏休みの宿題は最初の方に終わらせるし(笑)
ちゃんと勉強していました。
中学からは結構成績も伸びて、いろんな賞状もらったりしていました。
「Licaiちゃんの個人面談は褒められに行く感じ」と母も言っていました。
それで、塾には通わせてもらえなかったけど、自分の力で頑張って現役で大学に入って、在学中はバイトもボランティアも一生懸命頑張って、卒業したら公務員。保育士。
でも、なんだろう。
実家では何にもしていなくても、というか、むしろ何もしないと母親に怒られるんですよ。
「休みの日までぐうたらして!家の事ちょっとは手伝ったらどうなの!」
でも、言われた通りに家の事をやろうとすると、「それはママがやるからいい!いい!」とか「どういう風の吹き回し?(笑)」とか言われる。
心の中では、「ママが家の事しろって言ったんじゃん!!!!」と思っていたけど、「わかった」とだけ言ってたと思います。
母のヒステリーは手に負えなかったし、正論で返したところで伝わらないし、言われた通りにやったところで粗探しのようにまた何か言われるし。
親とぶつかり合うことを避けてきたなーと思います。「あー、早く明日にならないかなー」と思いながら、その場を取り繕うような言葉を並べたり、黙って聞いたりしていました。
つらくて寄り添ってほしい時には、「ママの方がもっとつらい!」「それくらいで!」と頭から否定されるので、もう母には弱音を吐きませんでした。
父親は、平日は朝遅くまで寝てて帰りは遅かったので顔を合わせることはありませんでした。
親とぶつかり合う経験をしてこなかったから、人との距離感もわからない。コミュニケーションが上手くいかない。
本の中に書いてありましたが、正に私もネットでチャットとか知らない人と文字だけのやり取りをすることで、人と関わりたい欲求を満たして、生身の人間との深い関わりを避けてきたなと思います。
チャットで知らない人に、「親がこうでさー・・」って話したり、「今まさに両親が夫婦喧嘩中。すごい音がする(笑)」とか実況したり。腐ってた。
でも、そうやってガス抜きしないとやっていけなかったなと思います。
本の中で、親子の関係は納期がない、「逃げられない」関係とありました。
先生とかは卒業したらさようなら。
でも、親子は一生親子。
別居しても親子なんだと思うけど、
実家に住んでるのが嫌になって、社会人2年目。ひとり暮らしを始めました。
実家にいてもつらいだけ。親子の縁を切るような気持ちでした。
そのきっかけを作ってくれたのが旦那です。
旦那は話しやすい職場の先輩で、見ず知らずのチャット相手に話してたようなことを話していました。
そしたら、「そう話して可哀想と思われたいだけでしょ。一生悲劇のヒロイン気取ってればいいよ。本当に嫌ならさっさとひとり暮らししなよ」と、言われました。
そしてひとり暮らしを始めました(笑)
それが実両親に対する初めての反抗だった気がします。
ひとり暮らしを始めたあとは気楽でした。
今まで抑圧されていたようなことをガンガンしたし、旦那に対して反抗期ぶっぱなして、幼少期にできなかったことをひとり暮らしを始めてから取り戻したような気がします。
一人暮らしを始めた頃は、母親から「こんなによくしてやったのに!」「せいぜいひとりでお幸せに」という嫌味なLINEがたくさん届きました。でも、「わかった」と返すか既読だけつけておしまい。
真面目に返事をすることは母親が言いたいことを言いたいだけ言うきっかけを作るだけで、母親はスッキリするけど、私はモヤモヤさせられるだけ。
それなら返す必要ないじゃん?
結局、ぶつかり合いはできるようにはなりませんでした。
ある意味では「いい子」のままなのかもしれないですね。
ブログで旦那のこと悪くいうこともあるけど(笑)
旦那は私自身が自分の人生を歩むきっかけをくれた人だし、旦那とは本音で話せる。思ったことが言える。ぶつかり合える。
22年間一生に住んできた親よりも信頼できる相手だなと思います。
私の大好きな保育士がいるのですが、
ちょうどひとり暮らしを始める頃同じクラスで組んでいました。
何で実家近いのにひとり暮らし?と聞かれて、親のことを正直に話しました。
その方は娘さんが2人いて、私より全然年上ですけど、娘はこんな時こう言い返してくるよ。今だにすごく反抗されるよ。でも、結婚したらパパとママみたいな夫婦になりたいって言ってることを教えてくれました。
この本にもあったけど、これが正常な親子関係なんだろうなという感じ。
ぶつかり合っても、パパもママも受け止めてくれるっていう安心感のある関係性だったんでしょうね。
うちの場合は、例えば何か母の気に入らないことを言ってしまうと、「ママが死ねばいいんでしょ!」「ママのことが嫌いなんだ!そうでしょう!!!」と、話が飛躍してしまうので、お話になりませんでした。
そういうの、すごく嫌だったな。
この本を読んで、「あー、わたし、もっとこうしてほしかったんだな。」「もっとああしてほしかったんだな」と自分の心を認められたというか、なんというか、心が浄化されたような気がします。
まあ、私は私ですけどね。
親とぶつかり合ってこなかったのは変えられない事実だし、自分の中のモデルが両親だから、娘ともぶつかり合える自信はありません。
そのことが娘にどんな影響を与えるかはわからないけど、きっと無理に娘のためにぶつかろうとするんじゃなくて、素の自分で接していくことが正解なんだろうなと思います。
虐待とかは論外だけど、子どもとはこうかかわらなければならないっていう決まりはないし、私らしく関われるといいなと思います。
まとまりはないですが、ここまで書けてスッキリしました(笑)
毒親育ちの人は読んだらスッキリするんじゃないかな?と思います。
あと、完璧主義な方や子どもに期待をかけすぎてしまう方も、関わり方を知るきっかけになると思うので是非!