今日はロンドン・ウェストミンスターのチャーチル博物館・内閣戦時執務室にやってきました。
平日だったのがよかったか、並んだのは10分弱でした。
「チャーチル博物館・内閣戦時執務室」は、第二次世界大戦中にイギリス政府が戦争指揮のために設けた地下施設を展示しています。あわせて戦時内閣を組織したサー・ウィンストン・チャーチル首相の生涯を紹介する展示がされています。
ナチス・ドイツの領土拡張政策に対して、当初イギリス(チェンバレン首相)は宥和的でした。ドイツとの全面対決を恐れたのです。英仏を弱腰と見たヒトラーは、1939年ポーランドに侵攻。平和への期待は断たれ、ついに第二次大戦が始まります。
1940年春のドイツの猛攻により、英仏は北欧戦に敗北。責任をとって退陣したチェンバレンに代わって、戦時内閣を組織したのがチャーチルでした。
電撃戦でフランスを降伏させたドイツは、イギリス侵攻を決意。1940年8月、イングランド上空における航空戦が始まりました。これを「バトル・オブ・ブリテン」と言います。
ドイツ軍はイギリスを屈服させるため、都市無差別爆撃に手を染めました。
↓ドイツからの空襲を思わせる爆弾!戦時内閣を地下施設にしたのも空襲対策の意味があります。
警備の衛兵さんのお人形です。
ここが閣議室(Cabinet War room)です。
チャーチル戦時内閣はここで閣議を開きました。なるほど、ここで首脳陣の意志を統一して、戦争指導に当たれたわけですね。
日本の敗因として、陸海軍の考えがバラバラだったことが挙げられますが、イギリスはちゃんとやっていたわけだ。
赤い箱の置かれた席が首相の席なんだって。赤い箱には機密書類が入っていたらしい。
赤い鋼鉄の梁はまぎれもない空襲対策ですね。
さらに地下にいけるのかな?
参謀長会議室(Chiefs of Staff Conference Room)です。
作戦室(Map Room)です。
具体的な指示を出す部署のようです。
電話がやたらあるけど、各部署への直通電話ですね。ここから指示を出していたんですね。
イギリス空軍はレーダーによる防空システムを駆使し、ロンドンを守り抜きます。ついにヒトラーはイギリス本土上陸作戦の中止を命じました。
「バトル・オブ・ブリテン」を描いた傑作。製作当時まだ残っていた第二次大戦の実機を使用して、撮影が行われている。
チャーチルの寝室です。
ここはラジオ放送室のようです。
ドイツとの継戦を訴えるために、国民に対して戦意を高揚させるメッセージを送る必要がありました。
我々は最後までやる。我々はフランスで戦う。我々は海と大洋で戦う。我々は日々自信を強め、力を強め、空で戦う。我々はいかなる犠牲を払おうとも、自らの島を守る。我々は海岸で戦う。我々は水際で戦う。我々は野原と街頭で戦う。我々は丘で戦う。我々は決して降伏しない。(1940年の演説より)
盗聴防止装置付きの電話室のようです。なるほど。ここでアメリカのルーズベルト大統領とトップ会談などしてたわけですか。
首相のダイニングルームです。
クレメンタイン夫人のお部屋です。さすが女性らしい品の良さがあるお部屋ですね。
ここからチャーチル博物館です。
チャーチルの生涯が電子パネルで学べるようになっています。
チャーチル本人に石膏を流して型をとった実物らしいです。
第二次世界大戦のときにドイツ軍が用いていたエニグマ暗号機です。
イギリス軍は、数学者アラン・チューリングを中心にエニグマ用の暗号解読機を完成させました。
「イミテーション・ゲーム」という映画で描かれています。連合国はエニグマ解読成功を、最後までドイツに悟られないようにしました。そのために見殺しにされた町(空襲があるとわかっていながら教えてもらえなかった町)もあるのではないか?と言われています。一番よく言われるのが、1940年11月のコヴェントリー空襲。
チャーチル愛用の品です。
これは戦争中チャーチルが繰り返し見たという「美女ありき」という映画。
ヴィヴィアン・リー主演。
チャーチル一家。右からチャーチル、クレメンティン夫人、娘のマリー。
ドイツ語で書かれたポスター。読めないが、ドイツ語だから多分悪口が書かれてるんでしょうねw
チャーチルを中心としたイギリス軍首脳。
廃墟と化したロンドンを視察するチャーチル。
タイピストの女性。
ここでは多くの女性が国のために働いていました。
よく日本の戦時体制を「女子挺身隊や学徒動員なんて軍国主義で、非人道的だ!」と批判する向きがあるけど、イギリスなどは最初から学生も女も総動員で戦っていました。
映画「ウィンストン・チャーチル〜ヒトラーから世界を救った男」は、タイピストの女性目線でも描かれてますよね。
これがさっき見たマップ・ルームだ。
アメリカのルーズベルト大統領とチャーチル。ルーズベルトは元からソ連贔屓でしたが、次第にエスカレートし、スターリンのいいなりになっていった。そんなルーズベルトをチャーチルは次第に持て余し始めていました。
ショップもなかなか面白かったです。
チャーチルのお帽子。
葉巻型のペンw
チャーチルのマグ。
日本語オーディオガイドがなかったんで、いまいち詳細は理解出来ませんでしたが、だいたいわかった。(本当に?) お客はほとんど白人だけでしたよ。