貴方には最愛の人はいますか?
どのくらい愛していますか?
最愛の人が急にいなくなったらどうしますか?
9月9日
私の15歳の誕生日。
その日は初めて友達の家で、誕生日を祝ってもらった。
毎年私は一人で誕生日を迎えていた。
両親は私が3歳の時に離婚した。
私は母についていった。
私は今でも3歳の時の記憶を、鮮明に覚えている。
整った顔でとてもカッコよかった父のことも。
ある日突然、母が連れてきた父ではない男のことも。
急に父がいなくなった日のことも。
そして、とても寂しく、悲しい気持ちも。
パーーン!!
「ハッピーバースデイ!アイおめでとう!」
『ありがとー』
こんな孤独な私を、友人たちは温かく受け入れてくれた。
父親がいない可愛そうな子
というふうに、差別も軽蔑もしない。
とても優しい子達だ。
「アイー。ケーキあるからさ、食べるぅ?」
「おまえさ、ただ食いたいだけだろ?」
食いしん坊でぽっちゃりしているユキを、お姉さん気質のチナがツッコム。
『プッ。いいよ。食べよ。』
そんなユキとチナのやり取りを見て、思わず吹いてしまった。
そんな私を見てユキは嬉しそうに、急に立ち上がって、
ユキの好きなラブソングを口ずさみながら、ケーキを取りに行った。
「いやーユキの食欲はいつおさまるんだろーねー」
チナは少し困ったように言ってから、ふふっと小さく笑った。
そんなチナを見て、なんて幸せなんだろうと心から思った。
「あ!そーいえばさ、limeをアイと交換したいっていってる男の人がいるんだけど、どう?」
そんなチナのはなしを台所で聞いていたユキがドタドタと走ってきた
「えー!遂に!アイにもキタかー!」
『いや、いいよ。会ったことないし。そーゆーのいらない』
「はい?」
ふたりは私の冷たい言葉を聞き、急に固まった。
『だってさ、なんで知らない人だよ。危ないよ』
私は間違ったことは一切言っていない気がする。
うん。言ってない。
「…いや、中学生か!!」
少し重い空気をつらぬくように、ユキがツッコんだ。
「いや、うちら中学生だべ」
そんなユキのツッコミをチナは正論でツッコんだ。
うん。チナは正しい。
「でもね、アイ、このまま彼氏つくんないで、中学生終わりは悲しいよ?」
確かに、私は生まれてから1度も彼氏をつくったことはない。
でも。。。
『でも、ユキもチナも一緒だよね。』
そう。実は私ら3人は1度も彼氏をつくったことはない。
「それな。」
そう言い、ユキは少し暗いかおをした。
「 あー、彼氏ほしい。」
そう言うチナは実は、ずっと好きな人がいる。
その人は一つ年上の柔道部の先輩だ。
『チナは有希先輩でしょ?』
「それがさ、有希先輩、高校入ってすぐ彼女できたらしいんだよね。」
あ、また空気を重くしてしまった。
すると、ケーキを持ってきたユキは状況を察し、口を開いた。
「よ、よーしっ!じゃあさ、出会いが無いならつくっちゃおーよ!」
この言葉に私とチナは大賛成した。
この時はなにも知らなかった。
まだ未熟な私たちには。