わたしは杖なしでも、ゆっくりなら歩くことができます。
自分では普通に歩いているつもりでも、
スピードがゆっくりだからか、
フォームがぎくしゃくしているのか、
すれ違う人はじっと足を見つめてきます。
追い抜きざまに振り返って足を見る人もいます。
駅の改札で足を後ろから踏まれて追い抜かされたり、
バスに乗るとき、後ろの人がいらいらしたりしてるのを見ていると、
普通のスピードで歩けるはずだという
誤解が原因ではないか、と思い始めました。
歩けるはずなのに、
なぜ歩かない?
というシンプルな疑問でいら立たせるのではないか、と。
イライラさせては申し訳ない。
そこで、杖を持つことにしました。
歩くのも楽になるし、
周囲の人も道を譲ってくれるようになりました。
人ごみを歩かなくてはいけない時でも、
わたしのまわりには空間ができるようになりました。
杖を持っている人に優しく配慮してくれるのは
とてもありがたいことです。
よし、これから人ごみには杖を持って行こう、とも思いました。
でも、何かすっきりしない。
杖があるとき・・・
杖がないとき・・・
あまりにも変化する周囲にこちらが戸惑ってしまいます。
杖があるから配慮する、ではなくて、
ゆっくり歩いている人にはちょっと余裕をもって接する
そんな空気になってほしいよな。
いやいや、忙しい会社勤めの方や学生の人たちに、
ゆっくり時間が流れている私のペースにあわせてもらい、
そこまで願うのは間違っているのかもしれないよ。
・・・・いろいろと考えてしまいました。