(第94回)

ボクがママの息子になって5日後のこと。
野菜を買いに近所に出かけたママ。
そしてその途中、ママに声をかけてきたおじさんがいたんだ。
ベトナム語で話すんだけど、ママは理解不能。
ママはそのおじさんを、たまに見かけたことがあるくらいしかしらない。
でもこの地域では、唯一の外国人で、ほとんどの人はママのことを知ってるみたいなんだ。
そこでそのおじさん、ママについて来いと言うように手招き。
ママも、しょうがないから付いていったんだって。
そしたら、いつも日用品を買っているお店の脇の路地に入っていったんだ。
どんどん奥に進んでいき、ある1軒のお家の前。
おじさんはママに待っててと言って、中に入っていったんだ。
そして、出てきた時、1匹の赤ちゃんワンコを抱いていたよ。
ママの前に来たかと思ったら、ひょいとその子をママに。
ママは困ってしまって、「もうボクがいるから」と言っても通じない。
おじさんは笑顔で「いいよ、いいよ」って、でも一体何がいいんだか。
一人になってしまって元気がないママのこと、町内の人たちが心配してくれてたんだろうね。
でもママは、その子がコロン姉ちゃんとよく似た感じに気づいたんだ。
もう抱っこしちゃったから連れてけることにしたんだって。
そして、その時の買い物はキャンセルして、その子を家に。
留守番していたボクは、ママが帰ってきたから大喜び。
そしたら、ひょいと目の前にボクくらいのワンコがいて、もうビックリ。
そしたらママは、「モカ、今日からこの子も家族だよ」って。
やったー!ボクに弟ができたんだ!
これで、いつでも一緒に遊べるね。
この日は丁度、コロン姉ちゃんが虹の橋を渡った日から1か月目のこと。
きっと姉ちゃんは、ボク一人じゃ寂しいと思って、二人にしたのかな?
いや、ママを守るには、僕一人じゃ頼りないからかな?
これからは、二人で力を合わせて、ママを守っていくんだよ。





