こんにちは、SYです。WBC開幕が近づいてきた今日この頃、この記事では前号に続き『史上最強チーム』との呼び声高い2026WBC米代表の野手陣をセイバーの観点から徹底解剖していきたいと思います。日本が彼らを封じるための抑え方についても考察しますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
キャプテン アーロン・ジャッジ(NYY#99)
(fullーcountより)
チームが”世界最強”なら、キャプテンは”世界最高”の選手。ニューヨーク・ヤンキースに所属するアーロン・ジャッジだ。言うまでもないことだが今季残したスタッツは驚異的で、全選手トップのWAR10.1(fangraphs算出)、打率.331、出塁率.457。WRC+(打席あたりの得点貢献度、平均が100となるように調整されている)は201(平均的な打者に比べ2倍以上の得点に貢献)と勝負強さも見せ、カル・ローリーとの激戦を制して2年連続のMVPに輝いた。前回は出場できなかったWBCへの憧れ、米国代表の核としての自覚や使命感も人一倍持っており、この大会の”MVP候補筆頭”であるのは間違いないだろう。
捕手 カル・ローリー(SEA#29)
(BASEBALL KING より)
最強軍団の”扇の要”を務めるのは今季捕手として史上初、MLB史上7人目となる60本塁打を記録したカル・ローリー。捕手としてメジャートップのWAR9.1を記録したほか、放たれたフライボール打球に対するホームランの割合を測ることで打者の長打力を示す指標であるHR /FBは驚異の25%越え。これは打たれたフライの4本に1本はホームランになっていることを示している(!!??)。WRC+161はジャッジより劣るもののこれも高水準で、”守備”という面で見ても捕手として1072イニングでマスクを被り、堂々の守備率.996。自身初のWBCで、まさに彼が今季メジャーで巻き起こしたような旋風を巻き起こすかも知れない。
まさかの”サプライズ”選出 ロマン・アンソニー(BOS#19)
(MLB.com より)
カーショーに勝るとも劣らないサプライズ選出だった。有鈎骨骨折の影響でWBC出場が困難となったダイヤモンドバックスのキャロルに代わって選出されたのはレッドソックスのルーキー、ロマン・アンソニー。まだMLBでフルシーズンを経験したことがないこの男が選出されるとは、(複数メディアで予見されていたとはいえ)やはり衝撃だった。ただ決してスタッツが伴っていないと言うことはなく、打率.292、OPS.859、8本塁打と言う成績は立派。WARも2.7とプラスの数字だった。
この男はレフトで起用される予定で、ルーキーかつ世界大会慣れをしていないということはあれどロースターにスパイスを加えるだけの働きは期待でき、日本も要注意の選手だと言えるだろう。
戻ってきた正遊撃手 ボビー・ウィットjr(KC#7)
(FOX sports より)
前回大会はルーキーとして、アンソニーのような立場で出場したこの男が、4年間で強く、そして成熟して戻ってくる。ロイヤルズのボビー・ウィットjrだ。4年でMLBトップクラスの打者へと成長を遂げた彼は首位打者のタイトルを獲得した2024に続き昨季も安定したパフォーマンスを披露。遊撃のポジションでゴールドグラブを獲得する守備を披露しつつ打率.295、38盗塁。各種指標は2024に比べ僅かに低下が見られるものの依然としてMLB最高の遊撃手であり、走攻守の揃ったいわゆる”5ツールプレイヤー”の典型例でもある。カンザスシティ、そしてアメリカの遊撃の座を完全に射止めたこの男が、世界の舞台で”Bobby baseball”を見せつける。
まだまだいるワールドクラスの選手たち
(full count,東スポより)
ここまで紹介した4人以外にも、まだまだワールドクラス戦士が揃うのがアメリカ代表の凄さ。ホットコーナーのポジションには来年カブスで今永、鈴木誠也らと共闘することがすでに発表されているアレックス・ブレグマン(昨季.273、18ホーマー)が就くと予想され、ファーストにも今季27本塁打のフィリーズの主砲、ブライス・ハーパーがいる。シュワーバーとの共闘によるブーストはもちろんのこと、ブレグマンは2017年大会(当時23歳!)、ハーパーは前回大会の経験がそれぞれあり、彼らにも注意が必要だ。
センターのポジションでは勢いのある”PCA”ことピート・クロウ・アームストロング、DHには”ロマン砲”シュワーバーがそれぞれ起用される予定で、代打陣に目を向ければ、今季17本塁打のオリオールズの主砲ヘンダーソンや、38歳ながら対左打率.338の数字を残したヤンキースのポール・ゴールドシュミットが控えている。まさに非の打ちどころの無いように見えるが、ここをどのように抑えていくのか、最後に私見を述べたい。
おわりに 日本の抑え方とは
ここまで見てきたように、アメリカ打線はMLBでもトップクラスのスタッツを残している選手が揃っている。ではこのような選手たちを抑えるには何をすべきか、どういう思考をするべきか。ここでは2つを提案したい。まず一つ目は”技巧派の可能性に賭けること”だ。日本代表に選出されている投手のうち隅田、宮城の二枚はいわゆる”技巧派”で、多彩な球速帯、変化量の変化球を持っている。彼らのような投手はそもそもあまりメジャーリーグにおらず、今季オリオールズに移籍した菅野の投球スタイルが刺さったことからもわかるように適応は簡単ではないとみる。また伊藤も技巧派ではないにせよ質の良いスプリット、スライダー、ツーシームにカーブなどのオプションもあり、(MLBで密かに注目されているだけのこともあって)刺さる可能性は十分ある。
次に二つ目は”指標に騙されないこと”だ。散々ここまで指標を出してきて何を言い出すんだとお思いになるかも知れないが、例えばローリーの打率は.270に届いておらず、直球打率に絞れば2割を切る。だから彼の打撃にはパワーがあるが不確実性もある。またアンソニーはBABIP(インプレーとなった打球のみを対象にした打率、運の影響による上振れ、下振れがある)が.404と異常に高く、今季の活躍は運の影響による上振れと見ることもできる。ジャッジだって、WRC+は高いがあの指標にはソロホームランによる得点貢献も入っており、純粋な勝負強さは測れない。別の観点から見ればチャンスで打てていないという指摘もある。つまり言いたいのは、”指標が高いと言っても必ず穴はあるから、打者個人の能力の高さは認めた上で彼らの弱点を探し、そこをついた攻め方をすべき”ということだ。また心も持ちようとして指標を下手に理解して怖がっていると萎縮してしまうというのもある。
いずれにせよ、”ドリームオーダー”に必ずある穴、そして日本の強みである”MLBにいないタイプの好投手”を最大限に生かして番狂せをおこしてほしいものだ。
最後まで読んでくれてありがとうございました!このシリーズはこれで完結となります。いかがでしたでしょうか。
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