2023
わらべ云う氷溶ければ春になる 科学で解せぬ感性が勝る
■ちかごろは噛めば噛むほど味がでる スルメのようなひと少なかり
■たわやすくなみだ流せし乙女あり 泪は愛のためにぞ在りや
■幸せと不幸せとの境い目は おのが心の有りようひとつ
■ わたくしがわたくしである実存は 我死してのち野の花と咲く
■清かなる森が吐く息見む人は 真摯に「いのち」賛美したりて
■化粧せぬお前が紅を引きし夜 マリアに見えてそっと手を合わす
■祈りとは願いごとにあらざりて 神の御手(みて)におのれを刻まん
■華やかにイルミネーションまたたけど 我が心底を点す灯りはない
■クリスマス近づくほどに寂寥が 広がりし部屋にポインセチア買ふ