中学生になった時、
入学祝いにラジカセを頂いた。
ナショナルのラブコールってやつだった。
このでっかいラジカセで、
ラジオから流れる曲を、
片っ端から録音した。
まだ音楽的嗜好が固まってなかったから、
ジャンル無関係のオリジナルテープが、
山のように増えていった。
当時はアイドル全盛期。
その手の曲も分け隔てなく聴いていた。
アイドルって言っても、
テレビでよく観る有名な人もいれば、
顔と名前が一致しないような人もいた。
普通はそういう人って、
いつしか記憶の彼方にとんでっちゃうもんなんだろうけど・・・
強烈に忘れられない人がいた。
正確に言うと、
忘れられない人って言うより、
忘れられない曲なんだけど。
事実、顔も名前も思い出せない人がいた。
けど、昨日立ち寄った中古レコード屋にて、
1枚のレコードに餌箱漁る手が止まってしまった。
俺の中で何かが引っかかった。
何が引っかかったか分かんないけど、
手が止まってしまった。
名前は「川田あつ子」
曲名は「秘密のオルゴール」
何も思い出せない。
けど手を止めずにはいられない。
(失礼を百も承知でを申し上げます。
ルックスで手が止まったわけではありません。)
思い出そうとしても何も出てこないのに、
脳も体も置き去りに、
気持ちだけが意に反して強引にタイムスリップしていくような・・・
我ながら、この表現じゃ何も伝わらないとは思っているけど、
なんて言うか、物凄い胸騒ぎがした。
それで、こっそり、歌詞カードを覗いてみた。
(ルール違反だったらごめんなさい)
そこに書いてあった歌詞を読み、
記憶が一気に甦った。
ただ、思い出したのは、
「川田あつ子」でもなく、
「秘密のオルゴール」でもなく、
「誰が唄ってんだか分かんないけど、この曲いいなぁ」
ていう記憶だけだった。
曲名も歌手名も分からないまま録音し、
大好きになって聴き続けていたけど、
ずーっと曲名も歌手名も分からないままだった1曲に、
31年ぶりに再会しました。
ちなみにクレジットを見てみれば、
作詞は松本隆、
作曲が財津和夫、
納得です。
こりゃぁ間違いないでしょ。
とにかく曲がいい。
もちろん、だからこそずーっと記憶に残っていたんだけど、
でも、それ以上にインパクトあるのが、
その歌声? ていうか歌唱力? ていうか・・・
アイドル青田刈りって時代で、
しょうがないのかもしれないけど、
ちょっと商品としてはどうなんでしょ?
誰かに唄い直してほしい・・・
いや、カヴァーしてほしいと思う反面、
この歌声だからこそのインパクトなのかなぁ、
という気もするし・・・
当時、財津さんはどう思ったんだろ?
気になる。
そして、
俺、どうして手が止まってしまったんだろ?
うーん、
もしかして、
俺には他にも眠ってる記憶があるのかな?
だとしたら、
中古レコード巡り、
止められそうにないな。
