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フルカワJAZZ道場

お気に入りの1枚を探すために

なぜかスポーツの秋とよく言われます。
10月には「体育の日」があり、昔から各学校などの
運動会が集中するので、なんとなくそんなイメージを
持っていました。
「体育の日」はいつ決まったかというと、1964年(昭和39年)「東京オリンピック」の開会式のあった日を記念して、1966年(昭和41年)に始まりました。
では本当に寒くなる前に「スポーツ・ジャズ」です。

 

「キュート」

カウント・ベイシー楽団
”キュート”より  
カウントベイシー楽団は数多くのヒット曲がありますが、ベイシーらしさが出ているのは、この曲でなのではないでしょうか。ニール・ヘフティが作曲したこの曲は、以後ライブでも何度か演奏されています。曲調は題名どおり”キュート”といえるメロディーで、ダイナミックな演奏の他のベイシーの曲と比べると、洗練された都会的な感じがします。メロディーを一聴するとそんなに速い曲のようには思えませんが、フルートソロを聴くと以外に速いテンポだというのがわかります。それを楽々と演奏しているように見えるのがベイシーの凄さでしょう。
この他にもクインシー・ジョーンズやサミー・ネスティコ、ベニー・カーター等のアレンジャーを迎えて、多彩な展開を遂げていくのでした。ベイシーが野球選手の格好をしているのもユーモラスで面白いジャケットです。

 




 

「ミスター・スティット」

エリック・アレキサンダー
”ヘビー・ヒッター”より  
ジャケットは演奏しているメンバーが野球選手に扮しているもので、アメリカン・フット・ボールに人気で追い抜かれているとはいえ、いまだにメジャー・リーグは根強い人気のようです。
1997年の作品なので10年前の作品ですが、まだそんなに経ってないはずなのになぜか懐かしい。若手なのにエリックの演奏は古いスタイルのジャズを彷彿とさせるよさがあります。ただオールドスタイルというのではなく、昔のブールノートを思わせるようなクールでシャープなサウンドの漂う曲作りがとてもかっこいい。録音がルディ・ヴァン・ゲルダーによるものというのも影響があるかもしれませんが。
スイセン曲はピアノのハロルド・メイバーンの作で、テナー・サックスの豪放磊落な雰囲気をよく活かした作品で、今は亡き”ソニー・スティット”に捧げた曲です。

 

 

「ストーム・アット・サンナップ/ラブ・ミー・ナウ」

バディ・リッチ
”スピーク・ノー・イビル”より  


野球物が2つ続いたので、今度は空手?です。でもこれは空手の方が裏ジャケです。2つ並べているのは、中古レコード屋で探す人ののため。(探す人はいるのかな?)表ジャケットは少しセクシーな3人の黒人美女の写真になっています。内容がソウル・ミュージックぽいビッグ・バンドの曲になっているので、こちらの方がイメージに合っていますが、多くのバディ・リッチのアルバムは、バンド・リーダーのバディ・リッチの写真を使っているので、それはそれで裏面の方で全開となっているのでしょう。時代的にも1976年はブルース・リーブームの真っ只中ですし。でもアクション映画のオマージュとして見ると、表ジャケットも007のように思えてきますね。
そんなパフォーマンス好きのバディ・リッチのTV出演を昔見たことがあります。番組の名は『ルーシー・ショー』。日本でも人気のある長寿番組でした。あまりに長くて、最後のシーズンには、ルシル・ボールの本当の2人の子供が、劇中でもルーシーの子供の姉弟役でレギュラー出演していました。(その前番組のアイ・ラブ・ルーシーでは、本当の夫と劇中でも同じように結婚した所から始まっています。)その中の一話を紹介しましょう。

 

弟は学校のドラム・コンテストで優勝を狙います。その賞品は音楽学校への入学と奨学金。でもいくら練習してもうまくなりません。
その時母親のルーシーはひらめきました。
"一番ドラムのウマイ人に習えば、優勝できるだろう"と。
”だったらバディ・リッチに習えばいいじゃないか!”
(普通思っても実行に移す人はいませんけど。)
最初は渋っていたバディ・リッチを口八丁手八丁で丸め込み、何とかコーチを引き受けさせます。そのかいあってか、弟はコンテストで優勝!!
が、なぜか優勝を辞退するのでした。
それを聞いたバディ・リッチは烈火のごとく怒りますが、
”2位だった友だちの家が貧乏で、奨学金がなければ音楽学校に進めず、彼に譲った”と理由を聞き、本当に良い事をしたとほめるのでした。

 

ソウルっぽい曲で固められたアルバムですが、中で1曲バディ・リッチらしい組曲風の曲があります。
スローなトロンボーン・ソロから始まる前半の曲から急にハイテンポにうつるあたり、”やはりこうでなくちゃバディリッチじゃない!!”と思わせるドラマチックなスティックさばきがすばらしい、そして前半の曲につながる「ストーム・アット・サンナップ/ラブ・ミー・ナウ」をスイセンします。

今回はどちらかというとジャケット紹介でしたが、
ジャケットだけ見ても楽しい、曲を聞いて楽しい。
2倍楽しみが増える気がしませんか?