片手バックと両手バックの違いについて、いろんなところで語られているのを見てきたが、未だに納得のいく説明を得られていない。
よくありがちな説明に、スライスを引き合いに出して、片手バックの方が、と論じるものを見かけるが、別に両手バックでもスライスで不利になることは全くないわけで。あくまでもトップスピンのショットでの比較が欲しい。
ワウリンカやガスケのスライスが、ジョコビッチや錦織のスライスよりも、どうこう、というのは感じられない。あえて言えば、フェデラーのスライスには若干の強みがあるかもしれないが、それはフェデラー個人のボレー技術との相関からくるもので、(トップスピンが)片手バックだからとの説明では納得はできない。
例えば、バックが苦手な人の方が回り込みフォアは上手い、というのはかなり真実なのだが、それを根拠にしてバックが苦手な方がいいとは言えないだろう。つまり、片手バックだとスライスを打つ機会が多くスライスが上手くなる、というのを片手バックのメリットとして語るのは、本末転倒なのだ。
むしろ、両手バックとの比較で言えば、懐の狭さから打点が限られており、スライスでしか対応できない(トップスピンが打てない)場面が多い、というデメリットなのが真相ではなかろうか。
そして、それととともに、サーブアンドボレーと片手バックが語られることも多い。確かに、サーブアンドボレーヤーには片手バックの人が多かった。サンプラス然り鈴木貴男然り。そしてバックスライスのアプローチと、バックボレーの技術には、かなりの相関が見られた。だが、どうしても謎なのは、それでも別に彼らのバックのトップスピンは両手でもよかったのではないか、という点。実際、山外涼月は両手バックでもサーブアンドボレーを得意としていた、では反証としては弱いか?だが、自分自身、両手バックでプレーしながらサーブアンドボレーをやっても、不自由さを感じたことは全くない。
次によく聞く説明に、片手バックは高い打点が不利、というもの。これも同感できない。
実際、セミウェスタンで打つ自分の片手バックは、顔の高さでも全く不自由さを感じない。むしろ低い打点の方が苦手だ。ワウリンカやガスケも高い打点から平気で叩いている。
確かにフェデラーは苦にしているのはわかる。だが、ここで一つ忘れているのが、グリップの厚さだ。
つまり、グリップの薄い片手バックは高い打点が苦手、しかし厚い片手バックはそうではない。というのが真相。よって片手と両手の比較としては不適切と言わざるを得ない。
これは何も片手バックだけの話ではなく、フォアでも全く同じ話。
グリップが薄ければ低い打点が打ちやすく、高い打点は工夫が必要。グリップが厚ければ高い打点が打ちやすく、低い打点は工夫が必要。というだけの話。フォアもバックも片手も両手も同じこと。
ただ、両手打ちでそれがあまり言われないのは、両手打ちだと、あまり極端に厚いグリップや薄いグリップにならないということ。右手をコンチで握ったら左手はほぼセミウェスタンで握るのが一番納まりがよく、個人差があってもわずかなもの。そして右手をコンチにしないことには明らかにデメリットがあるので、結局、両手打ちのグリップの個人差は、片手に比べると極端に小さい。
そして、厚いグリップのフォアや片手バックとの比較で言えば、やはり両手打ちでも高い打点はやや打ちずらい。結局、厚い片手>両手>薄い片手、の図式。
次回に続く。
