ブルを探しに、職員室に向かう途中でブルと出くわした。




おう お前ら やめてるか?




ッたりまえだろ。




勝負には勝つんだよ。俺が言った。




ドングリは、疑いの目でブルを見ていた。




先生は、ホントに やめているのかな?ドングリが カラカイながら言った。




ああ、おかげで手とか震えちゃってるよ。ブルは言った。たぶん禁断症状だ。




そう言えば、タバコの臭いがしない。




俺自身タバコを吸っていないから、タバコの臭いには敏感に反応できる。




まあ勝負は始まったばかりだからな。俺が言った。




この勝負、一生続くかもな、、、、、、、ブルが遠い向うを見つめながら、目を細めて言った。




あの、、、先生、、、、全くカッコ良くないし、むしろ気持ち悪いんですけど。あと、目を細めなくても、普段から




開閉してるのかわからない目してますよ。あえて敬語で、そっこうでツッコミを俺は入れておいた。


その言葉で我に帰ったようだ。しかしよ、ほんとタバコ吸わねーと 手が震えるんだよ。ブルがまた禁煙してることを強調するように言った。 わかったからウゼーよ、アピールしすぎなんだよ。オレが言うとタバコで黄ばんだ歯を出してブルが笑った。その顔が また何とも気持ち悪いかったのだった。

そう言えば、中2の時こんな先生がいた。


ブルドッグみたいな顔、ヒゲがモジャモジャ、体毛モジャモジャ体格はガッチリ、頭から直で肩みたいな


いわゆる首がない感じだった。


あだ名は即 ブル。少し熱血系の奴だったんだが、どこか、いい加減そうな感じがする。


そして、やたらとタバコ臭い。タバコを吸うオレが引くくらいタバコ臭い。


あんたタバコ食ってない?って言いたくなるくらい強烈だった。


ある日、俺と同じクラスのドングリが一緒にいるとブルが近づいてきた。


近づいてくるブルに向って、テメーキモチ悪いんだよ!!ドングリ君イキナリ言い過ぎ!!いや酷すぎ!!


近づいてきただけだし。オレは思った。


このドングリと言う男、ハンパなくケンカっぱやいわ 口は悪いわ でも頭はいい おそらく先生が苦手とするタイプ


ランキングの上位にいるであろう男だ。ブルはその言葉が聞こえてないかのように、俺たちに言った。お前ら、タ


バコやめろ!!俺もヤメルから!!はっ?ドングリがイライラ全開で言った。ブルは空かさず言った、聞こえな


かったか?タバコやめ、、、と言ったところでドングリ爆発!!


てめ~オレをお前呼ばわりすんじゃね~よ!!


えっ?イラっとしてたのそこ?オレは思った。


相変わらず すぐ怒るな~。するとブルは、まあいいよ 俺はヤメルからな。


また勝手に言い出した。よしわかった熱血先生、じゃあ賭けようぜ、やめようぜタバコ、これを期に一生 禁煙だな


と俺は乗った。


ドングリも面倒な感じながらも賛同した。


メンドくせーな、ドングリは言った、まあいいじゃん暇つぶしにやってみようぜ。


そのかわりマジにやろうな、オレが言うと 当たり前じゃん、ドングリもそのつもりだった。


そこらへんのマジメさは大切にしていた俺たち。


次の日さっそく教室に入る前にいつものように狩人にボディーチェックされた、


どうした?タバコ持ってないのか?ああ やめたからな、


オレが言うと金がなかっただけだろ的なことを言われたが、どうでもよかった。その後すぐにドングリと合流して


ブルのところに向かった。                                      つづく

狩人(かりうど)1年の俺達の担任だ。



ある日の昼休憩時間に俺とサマーが狩人に呼び出された。



職員室に行ってみると、コアラの姿があった。



よしお前らこっち来いっ。



連れていかれたのは、通称 畳部屋と呼ばれる叱られる部屋だった。



何を言われるのか、大体の見当がついたが黙っていた。



狩人が口を開いた。



何で呼ばれたかわかってるか?



さあ?人生相談でもしたいの?俺が言うと狩人がイラッとするのがわかった。



わかってんだろ?もう一度狩人が聞くと 空かさずサマーが言った。



奥さんと上手くいく方法を教えて欲しいとか言わないでくださいね。



それを聞いて隣で俺が 吹き出すと、机をバシッと叩いて狩人が凄んだ。



ふざけるなっ バイクだよコアラん家のバイクのってんだろ.



別に敷地内だし チョッケツ(カギなしでエンジンをかけられる方法)とかしてないから 問題ないっしょ?



俺が言うと 狩人がまた凄んで言った。



健全な中学一年生はバイク乗らね~し チョッケツなんて言葉も知らないんだよ。



つーか誰から聞いたんすか?サマーが言うと狩人は口を閉じた。ホットドッグだな。



俺たちは確信した。狩人はホットドッグには甘い。2年後には自分を暴力でブチのめしてくる逸材だと気づいてい



たのだろう。



気に入らないのは俺たちを使ってホットドッグに ダメだよって事を伝える狩人のやり方が気に入らない。


先生さ、数学の先生だろ?こんなやり方したら、(公式を使ったら)さ、俺たちがどんな答えをだすか知りたいん



だな? オレが言うと、狩人は何わけわからんこと言ってる。と今度は俺たちを追い返した。



タバコでも吸いたくなったのだろう。とことん勝手な奴だ。



その後すぐに、俺とサマーは俺たちなりの公式で答えを出した。


サマーが言った、狩人の原チャリしってる?確かタクトだなっ 俺が言った。サマーがニコニコしてる。


二秒でかたがついた。


オレたちは狩人のナンバープレートをグニャっと曲げてやった。 ヤンキー仕様だ。 


なかなかの曲げ具合だった。


その日、知らずに帰った狩人は、パトカーにサイレンを鳴らされ止められ、注意されていたらしい。


その話を聞いてオレたちは、可愛げのある答えを出したなっ と二人で満足して、笑いながら


1つのライターで同時にマイルドセブンに火をつけた。